生涯学習コースの授業

 生涯学習コースの授業を1コマ.例年,「園芸と外来種問題」を受け持っていたが,今年は「里の草原」をテーマとするようにコーディネイト役の方から依頼をうけている.園芸を学ぶ人に外来種問題を伝えることはとても重要なので,外来種の講義もしたいのだけど,今年は草原の話をすることになった.もう一コマやらせてよー.
 授業では日本の草原の成り立ち,半自然草原の構成種,近年の半自然草原をめぐる状況を座学でががっと述べた後,大学院の演習で「小さな自然再生」と称して作っている草原を見学.ヤマハッカが見頃で参加者をひきつける.
 園芸活動への興味が強いひとたちに自生植物の魅力を伝えると,ややもすればそれを園芸にとりこもうという方向に流れがち.今回もヤマハッカのタネが欲しいという要望があったが,この地域の方ではなかったので,丁重におことわりするとともに,種内の多様性(地域性)をまもることの重要性をつたえた.そして,自生種を園芸に使うためには,まず1年間は身の回りの自然を観察してほしいと伝えた.もちろんオススメ図鑑の紹介も.
 野鳥の会の「フィールドガイド日本の野鳥」の前書きにもあるとおり,「フィールド版の図鑑」というのはじつに偉大な発明だ.