鮮魚行商人のおばちゃんとの会話

島の北端の町で、鮮魚行商人のおばちゃんとの会話 
「こんにちは。魚ありますか?」
「もうガシラ(カサゴ)しか残ってない。ガシラはこんだけで500円。あとマナガツオのみそ漬け」
「今日はガシラのほかは何があったんですか?」
「アジと、タイのちっこいのと、小さいイカと」
「小さいイカ?」
「ヒイカな。あと、あの、ハリイカみたいな、名前出てけえへん、ここらで”けつくさ”っていうんやけどな」
「ああ。胴のはしっこのよごれたような」
「そうそう。それや。あ、真イカやな。岩屋は”けつくさ”いうねん。あはは」
「おもろい名前ですね。ほな、マナガツオのみそ漬けください」
「700円な」
「これいつから味噌につけてるんですか?」
「だいたい5日以上漬けとう。よう味がしみこんでる」
「味噌だけに漬けてるんですか?」
「味噌にいろいろ味つけとんねん。おいしいで。たべるときはみそをぬぐってから焼いてな。みそあったらすぐ焦げるからな」
「網でやいたらええんやね」
「網でな。いまの若い人はフライなべでやいたりするけどな。どっちでもええ。味噌をとってから焼くんやで」
というわけで、マナガツオのみそ漬けを買った。岩屋は東浦とは魚の方言名が異なる。シリヤケイカは、岩屋では「けつくさ」ということを学んだ。東浦では「まいか」だ。以前に洲本市由良の方からきいたのは「しりくされ」。あとフライパンのことをフライ鍋ってよんでるのがいい。コーヒーカップをコーヒー茶碗っていうような感じ。