マムシを獲っていた話

淡路市生穂。60代の男性から聞いた話。

昔は、畦の草刈りをするときにマムシを見つけたらそれを捕まえた。左手に鎌を持ち、鎌の先端でマムシの頭を押さえつけ、右手でマムシの頭から尾まで、ぴーっと皮を剥いだ。皮を剥いだマムシを洗濯物を干す物干しに干しておく。マムシはその状態でもしばらくは動く。そうやって干しておいたマムシは、廃品回収の人が来たときに、ぼろ布とかといっしょに買ってくれた。廃品回収のことを昔は「ぼろ買い」と言うていて、定期的に回って来てくれていた。マムシを売る先があったんだろう。マムシは、頭を切り落としたら他の蛇かわからんようになるから切り落としたらあかん。頭をつけたまま干していた。明治生まれの人はマムシをよく獲っていた。マムシはお金になるから。

※昔っていうのは、昭和40年代ごろを指しているようだった。