琉球の植物の写真や図版が載ってる本

 保育社の原色シリーズは琉球を対象範囲に含めていない.平凡社の日本の野生植物もたしか草本琉球を扱っていない.同シリーズの木本では琉球を扱っているが図版の省略が多いように思う.以下に僕の知ってる「琉球の植物の写真が載ってる本」を列挙する.ほかにもいろいろあると思うので,ご存じの方は教えていただけるとうれしいです.
 この手の本は沖縄のちいさな出版社から出されているものが多い.Amazonはそういう本がどうも苦手らしく,絶版じゃないにもかかわらず取り扱ってなかったり,マーケットプレイスのみで扱っていたりする.その点ジュンク堂の通販は立派.ちゃんと取り扱いがある.
 
■「琉球の植物」初島住彦・中島邦雄 1979 講談社 (絶版・入手可)
 木本・草本とりまぜて630種類を写真入りで紹介している.A4より一回り大きい判で重い.絶版だが古書でみかける.今日現在,amazonマーケットプレイスで中古品が15000円〜26000円で7点出ている.もとの定価は22000円なので古本がお買い得.
 
■「沖縄植物野外活用図鑑」(全10巻)池原直樹 1979〜1989 新星図書 (絶版・入手困難)
 1〜9巻で約2150種を扱っているらしい.B6判.1巻「栽培植物と果樹」,2巻「栽培植物」,3巻「帰化植物」,4巻「海辺の植物とシダ」,5巻「低地の植物」,6巻「山地の植物」,7巻「シダ植物〜まめ科」,8巻「ばら科〜きつねのまご科」,9巻「あかね科〜らん科」,10巻は総索引.絶版で入手困難.僕は8年ほど前に宮古島の空港売店で7巻と9巻をみつけて購入した.その後ネットオークションで1巻〜6巻を購入.8巻は幻.売られているのを見たことがない.もともとの定価は各巻3000円強.
 
「沖縄教材植物図鑑-路傍の草木-」仲真良英 1980 沖縄時事出版 (今も売ってます)
 沖縄の町や人里でみられる身近な植物305種をカラー写真で掲載.このなかには外来種も多く含まれている.B6判.2100円.
 
「琉球弧・野山の花 from AMAMI」片野田逸朗 1999 南方新社 (今も売ってます)
 奄美沖縄諸島でみられる草本や木本をとりまぜて約550種ほど収録.A5判.海辺,人里,低地・山地の3つの生育環境別にまとめてある.著者は奄美在住の方で,この図鑑は奄美に強いが,琉球弧を南にいくほど弱くなっていく.表紙によく見れば小さな字で「from AMAMI」と書いてある.薄くて軽いわりに種数が多いので,琉球に遊びの旅行に行くときに持っていくのに便利.2900円+税.
 
「おきなわフィールドブック1 沖縄の野山を楽しむ 植物の本 改訂」屋比久荘実 2007 アクアコーラル企画 (今も売ってます)
「おきなわフィールドブック3 沖縄の自然を楽しむ 野草の本」屋比久荘実 2005 アクアコーラル企画 (今も売ってます)
「おきなわフィールドブック5 沖縄の自然を楽しむ 海岸植物の本」屋比久荘実 2008 アクアコーラル企画 (今も売ってます)
 1では115種,2では166種,3では100種を扱っている.B6判.おおむね1ページに1種類で,生態や人による利用などについて丁寧な説明がある.人間とのつながりが書かれているのが僕にとってはツボ.方言名も詳しい.いずれも1580円+税.
 
「日本帰化植物写真図鑑 第2巻」植村修二ほか 2010 全国農村教育協会 (今も売ってます)
 後半が「沖縄編」となっており沖縄に特有の外来種約80種を掲載.B6判.5000円+税.
 
「やんばる樹木観察図鑑」与那原正勝 2010 沖縄教版 (今も売ってます)
 詳細は,に書いたとおり.A5判.2000円.
 
「野生植物食用図鑑−南九州〜琉球の草木」橋本郁三 2006 南方新社 (今も売ってます)
 やや異色.やたらイキオイがあってへんな本.まえがきが妙なポエムになっててほのかなおかしみが漂う.本編ではなんでも食べてる.驚愕の料理はソテツライス.著者が我流の方法で除毒して調理している.このページには編集担当者がびびったのか「編集部注・この料理は著者が試したものであり,一般的な調理法を紹介したものではありません.除毒の方法は地域によって異なりますが,必ず経験のある方と一緒に料理されることをおすすめします」と断り書きが入る.ボタンボウフウの写真にはなぜか忍者装束を纏った女性がカメラ目線で写ってて,キャプションに「岩盤のきわに咲くボタンボウフウ。くの一は,砂浜から歩いて,それを見た。」肝心の写真はきれいなものもあるが,ブレブレのものやピンぼけのもの,JPEG圧縮による劣化が甚だしいものなどが混じる.A5判,3600円+税.