葉で見わける樹木 増補改訂版

 保育社の「検索入門 樹木1・2」(以下「樹木1・2」)が絶版となっているので,その代わりになる入門者向けオススメ図鑑を模索中.小学館の「フィールドガイド23 葉で見わける樹木 増補改訂版」(以下「葉で見わける樹木」)を買ってみた.これもAPG準拠だ.「樹木1・2」の解説文は識別のための情報に特化していて無駄がない.これに対し「葉で見分ける樹木」の解説文はやや饒舌.「樹木1・2」と同様,“常緑か落葉か”,“全縁か鋸歯縁か”,“対生か互生か”,“不分裂の単葉か分裂葉か複葉か”というキーで大別し,その区分を小口に色タブで印刷している.この点は使いやすそう.掲載種数は針葉樹もふくめて471種で,中には庭木も多く含まれる.「樹木1・2」は針葉樹を含まず,庭木少なめで,約500種.見開き頁に掲載される葉っぱは「樹木1・2」の方が多くて,絵合わせでの探索がやりやすい.「樹木1・2」では葉の写真しか出ていない(解説頁に多少の線画図版はあり)が,「葉で見わける樹木」は木全体や果実や花の写真がいくらか掲載されている.信濃毎日新聞社の「葉でわかる樹木」は涼しいところ寄りな印象.「葉で見わける樹木」は涼しいところ寄り+都会寄り?なんか東京人っぽい.「樹木1・2」は西日本の人向きな印象.よくわからんけど.
 小学館は,どういうわけか「葉で見わける樹木」の旧版を,増補改訂版がでた今も併売してる.しかもフィールドガイドシリーズの22巻と23巻に位置づけているから,正編と続編かとおもってうっかり両方買いそうになった.よくみたら23は22のバージョンアップで,上位互換だ.差額はたった200円.ややこしいのでさっさと22を絶版にしたほうがいいと思う.