旧交を温め,新たな出会いもあり楽しかった春分の日

 マクドで期間限定のビバリーヒルズバーガー(やたらねばっこいアボカドソースに辟易した)を食べ,プレミアムローストコーヒー(樹脂の蓋の匂いはどうにかならんものか)を飲み,会場に.
 ポスター会場をぶらぶら巡る.この日は大学院時代の友人Y代君やminacoさん(仮名)のポスター発表がある.いまどんなことやってるのか知りたくて聞きに行く.Y代君は放牧地からのメタンや亜酸化窒素の放出に関する研究をしていた.実験系の中で,放牧地の牛糞の影響をたしかめるために,牛糞を置いた地面からのメタン・亜酸化窒素の放出も測定していた.その際,実験に用いる牛糞が不均質であっては正しいデータが得られないとのことで,必要な分量の牛糞を収集した後,これをボールに入れて練って練って練りまくって均質化したのだそうだ.「こうやってこねました」と身振り手振りで説明してくれたけど,その状態を思い描いて涙でた.また,用いる牛糞は新鮮であるべきと考えた彼は,放牧地で牛のうしろをついて歩き,排出されたばかりの極めて新鮮な湯気立つものを厳選してバケツに回収していったのだそうだ.こだわりの牛糞.苦労がしのばれすぎる.
 minacoさん(仮名)のポスター,最初にいったときは先客がいた.一巡して出直したら,演者がいなかった.この日は高校生ポスターもあったので,それを観に行った.そしたら,なぜかそこにminacoさん(仮名)がいた.「minacoさん(仮名),貼り逃げしてないでポスターの説明してよ」と頼んだら,「いやだよ.めんどくさい」と即答された.昔とちっとも変わっていない.夕方にはポスター剥がしながら,これはもういらないからホテルに捨てて帰る,と言ってた.ちっとも変わっていない.
 夕方は企画集会T18在来知と生物多様性を聞きに行った.ラオスの水田から得られる供給サービスのすごさに感動した.静岡県民の内なる生物多様性評価も面白かった.(21日に家に帰ったらたまたま「たねのさくせん」という絵本を家族が買ってきていた.見てみたら,静岡県の発表をされていたI垣さんが著者だった.この偶然にびっくり.)
 この在来知について,どれだけの分類群を見分けているかという点も興味深いが,その供給サービスを得るために,自然に対してどのような働きかけをするとよいか,についての在来知はほとんど報告されていなかったように思う.山菜を得るため,山でどのような人為攪乱を与えているのかが僕は気になった.
 さて.この日は集会懇親会には参加せず,minacoさん(仮名),その友人のS山さん,僕の師匠であるT田さん,僕の親友であり共同研究者であるmatsut氏と5人で飲むことになった.T田さんとmatsut氏はオフィシャル懇親会に参加してから合流するとのことで,まずはminacoさん(仮名)とS山さんと3人でイタリヤ料理をたべながらビールを飲み,それから喫茶店でコーヒーを飲みながらT田さんとmatsut氏を待った.
 S山さんは見た目も話し方もたいへん品のある方で,音楽の趣味の話をしていたら,クラシックピアノを聴くという.がちゃがちゃのパンクやニューウェイブが好きな僕としては,人間の幅を広げるにはその対極にあるクラシックに入門することが必要とつねづね思っていて,これはよいチャンスなのでオススメのピアニストをおしえてもらった.Fazil Sayというピアニストがオススメだそうだ(学会が終わって淡路に帰ってから,ようつべでFazil Sayをチェックした.すっげーなにこれ.クラシック?メタル?パンク?これはCD買うしかないな).もうひとつびっくりしたのは,S山さんは僕と同じで一度働いてから大学院に通った回り道系の人で,しかも,働いていた業界がいっしょだった.コンサルから大学院行って学位とった人って,たまに出会うなあ.日本中でどんくらいおるんかなあ.
 T田さんとmatsut氏と合流してからは,お酒も進んで,また楽しい雰囲気に.同窓会的メンバーなので,ついつい話はG大学大学院の自由奔放だった研究室の話になりがち.S山さんにはminacoさん(仮名)のナゾの過去をいろいろと理解していただけたことと思う.っていうか,内輪ウケの話がつづいてしまったかもしれず,申し訳ないきもちが3割くらいあります.3割くらいごめんなさい.で,やっぱり午前様.学会って耐久レースやわ.