変体仮名の看板

 炭焼きあなご。2016年3月17日に淡路市浅野にて。この看板のすてきなのは、「あ」も「な」も「ご」もぜんぶ変体仮名なところ。それと、「こ」にしっかりと濁点がうたれているところ。
 変体仮名とは、いまは使われなくなったひらがな。かつて、ひらがなは今のような一音一字ではなく、おなじ音をあらわすのに複数の文字があった。それが、明治33年(1900年)の小学校施行規則で、ほぼ一音一字だけを教えることとされた。つまり、変体仮名は人為的に絶滅へと向かわされた文字である。絶滅危惧状態ではあるが、街中の看板に(そば屋とかたこやきやの看板などに)ときどき残ってる。つまり、まだ野生絶滅していない。このへんが僕にとっては萌えポイントだ。古文書を読むためには、変体仮名を読めなくてはならず、さらに、文字のくずし方にも精通しなくてはいけない。僕は、いつか古文書を読めるようになろうとして変体仮名に萌えてるのではなく、単純に、消えゆく文字として興味がある。ミーハーだ。でも、古文書よめたらそれはそれでええよなあ。
 それから、ゐとゑは、準絶滅危惧くらいのレベル。50音表にゐとゑをなぜ残してるのだろうか。