大阪湾展いってきたよ

 淡路島エクスカーションのスペシャルデイズ.今日は第ゼロ日め.大阪自然史博物館で大阪湾展を見る.淡路島も大阪湾の一角を占めているので,無関係ではない.
 新大阪駅で愉快な仲間SさんFさんと合流し,大阪名物お好み焼きを食べる.お好み焼きに九条ネギをてんこ盛りにトッピングしているものを「ネギおこ」と称していた.たらふく食べたのでネギおこまんぷく丸.
 大阪湾展は生物標本がたくさんあって,なかなかに硬派な印象.展示の全体から,大阪湾の水際部の壮絶なハビタット喪失具合や,にもかかわらず局所に残る多様性や,普段は見えない海の中の思いのほかの豊かさなどが,じわじわと伝わってきた.こんな生き物しらんかったわ,というやつらがいっぱいいて,それはつまり思いの及ばないほどの生き物の豊かさがそこにあるということ.20世紀の埋立地の急激な増加をみると大阪湾の水際部はほんとうにぼろぼろにされていると思う.実際,大阪湾で絶滅してしまった生き物はいくつもある.いま局所的に残る豊かな生態系は最期の砦.これが失われることのないようにしたいものだ.
 気に入ったもの.印象にのこったもの.

  • 古地図.とくに干潟とヨシ原の彩色がきれい.いまは広大な埋立地だが,あれがかつては広大なヨシ原だった.想像を絶する豊かさ.
  • 大阪湾の海底地形の模型.海峡部がえぐれるように深みになっている.明石海峡の一角にのみ岩底があることをSさんが一瞬で見抜く.さすが.
  • フジツボの標本.もうすこしゆっくり見てしっかりと同定できるようになりたい.フジツボは今年のマイブームの一つ.
  • 海藻押し葉標本.レイアウトが凝ってて芸術的なうつくしさ.紅藻類?は台紙に赤い色が滲んでる.
  • 海浜性昆虫や海浜性キノコの標本.これらをしっかり学べば,海浜をもっと楽しく観察できそう.
  • フナムシとキタフナムシの展示.よくみると赤ちゃんフナムシがいる.フナムシとキタフナムシの見分けポイントはどれも微妙でむずかしいが,尾肢基節がいちばんわかりやすいかも.
  • 磯の生き物の水槽展示.ナベカかわいいよナベカ.ウミウシの卵が産みつけられていてバラの花みたいできれい.ケヤリムシっぽいのがいたけど,手をかざしてもひゅってひっこまなかった.あれはケヤリムシじゃないのかな.
  • どういうわけだか惹かれてしまうカエルアンコウ
  • アカエリヒレアシシギやツルシギなどの剥製.普段プロミナ越しにみる彼らは,目の前でみると思いのほか小さい.小ささにおどろく.
  • マッコウクジラ全身骨格標本.頭部の造形が左右非対称.鼻?のあたりは70年代のレーシングカーのボンネットに穿たれたエアインテイクのよう.歯の本数が左右でちがうらしいが,ぱっとみではわからんかった.このマッコウクジラ標本は愛称を募集していた.1人3つまで応募できるとのことだったので,僕は2つ候補をいれておいた.えらばれたらいいなあ.鯨の骨格標本の名付け親になるチャンスはそうそうないぞ.そうそう,クジラの骨格標本とくれば,くんくん匂いをかぎたくなるのだけど,この子はぜんぜん臭くなかった.前に,淡路に漂着したナガスクジラ骨格標本兵庫県人と自然の博物館所蔵)を見たことがあるんだけど,あいつは骨から脂っこい匂いがどんどんにじみ出してくる迫力があった.マッコウクジラの骨の匂いも期待してたんだけど,ぜんぜん匂わなくて逆にびっくりした.
  • マッコウクジラの胃内容物の標本.ダイオウイカのカラストンビがあった.こんなところでダイオウイカにあえるとは(カラストンビだけやけど)!
  • 成ヶ島関連の展示.膨大な貝類標本.そのどれもが希少種・絶滅危惧種らしい.微小貝もたくさん.
  • 海浜植物の種子の展示.人工海水にぷかぷか浮かんでるタネが可愛いジャマイカ
  • 漂着ゴミのプラスティック製のキク.ハマニガナとまぎらわしいっていう「海浜植生調査者あるある」を堂々と展示しているのがパンクっぽくてステキ!
  • 貝やさんになれるコーナー,たこつぼに入れるコーナーもたのしい.僕はおっさんだけど小二病なので当然しっかり遊ばせてもらったった.

 大阪湾展では展示されてる標本がすごい量.2時間30分ほどいたけど見きれなかった.これはあと2回は来たいな.1人で1回.同じマンションの5才と3才の子どもにも見せてあげたいからもう1回.
見終わって,ミュージアムショップで2800円ばかり散財.マナマコの缶バッジとか,「大阪湾のフジツボ 全14種類の解説と見分け方」という300円の本とか.