植生学会高知大会(2日目)


 朝4:30に目が覚めた。睡眠不足を補うためにもう少し睡眠が必要と思い、布団にもぐりこむ。しかし眠れず。あきらめて5時すぎに寝床を抜ける。時間があるので身支度整えて朝市に行こう。そのまえに、要旨集をざっと読み、メールチェックをし、風呂に入り、エクスカーションに備えて荷物の整理をし、ホテルの朝食バイキングを食べてたらいつのまにか7:25。学生との出発待ち合わせ時間である8:00までに朝市に行って戻るのはちょっと無理じゃないか。時間はどこに消えたのか。まあええわ。朝市は明日の朝に行こう、この時点ではそう思っていた。
 8:00に学生と集合。ここで学生から朝市は日曜だけとの情報を得る。そもそも日曜市という名前だそうな(帰宅後さらに朝だけではなく夕方までやってると知る)。日曜のみと知ってちょっと後悔。車に乗って学生のスマホのナビで学会会場到着予定時刻をチェックしたら8:20と出る(うちの車にはナビついてない)。思ったより会場が近い。これなら日曜市にちょっとだけ寄り道してもええんちゃうか。日曜市へ向かって角をまがる。1ブロック進んだところで大学院時代の指導教員(いわゆる師匠)T田さんが後輩M井君とあるいているのをみつけて声をかけ、会場までいっしょに行くことにした。が、その前に10分だけ日曜市に立ち寄る。
 コインパーキングに車を押し込んで、走って日曜市へ。なにかないかとうろうろしていたらツバキの葉っぱでつつまれた「しばもち」を見つけ、迷わず購入。葉っぱ餅マニアとしてはとてもうれしい。そこからさらに奥へ進んで、シホウチクなど魅力的なものをながめたりするうちに時間切れ。短時間ではあったが日曜市に行けて満足。走って車まで戻って高知大学朝倉キャンパスへ。
 8:40から某委員会の打ち合わせ。そのあと自分のポスターを貼りにポスター会場へ。
 
一般講演・総会
 午前の講演。聞きたい講演を求めてA会場とB会場を行ったり来たり。A03(山地河畔林のヤナギ類の更新)とA10(炭鉱集落の閉山40年後の植生)が面白かった。ほかにも聞きたいものがあったが、B会場の進行がA会場より10分ほど遅れており、BからAへの移動が予定通りにいかない。逆にAからBへの移動では10分のゆとりがあるので、さくま書店での買い物が捗る。B11(ミズナラ林伐採後の草原生植物)は走り始めたばかりの1年目の報告で今後の進展がたのしみ。もしそういうサイトがみつかるのなら、草原に隣接しておらず、かつ、かつて草原だった場所のミズナラ林でも同じことをしたらおもしろそう。
 昼休み。ポスター発表コアタイム。自分の発表もあるので、聞きたいもの全部は回れず、7枚の発表を聞いたのみ。聞きたかったけど聞けなかったポスターが10枚ほど。聞いた中ではP17(部分的菌従属栄養植物の繁殖)が面白かったが、植物のサイズの指標が地上部の高さまたは葉の枚数だけで、地下部のことがわからない。対象種が光環境によってT/R比を変化させていたとしても、同じような結果がでるんじゃないかと思ったり。自分のポスター発表は、一部分が破壊された後の砂丘植生の回復モニタリング。人の行動が植生回復に影響を及ぼしているというもの。聴衆の反応はそれなりに。
 午後の講演。B12(畦畔草地の種組成は均質化してるか?)、B13(外来牧草の侵略性に及ぼす在来種の影響)、B14(都市域でフロラを維持するために重要な群落は?)が立て続けに面白かった。B12を聞いて自分の勉強不足をひしひしと感じる。午後の部はときどき睡魔が襲ってきた。
 さくま書店で散財して、総会に出席。刊行費と缶コーヒーのヒアリングがむずかしい。毎年の楽しみは学会賞受賞講演。今回は新潟大のS尾さん。「植生は種個体の集合なので種特性や生活史を知ることが大切」「植生は常に変化するので時間・空間スケールをさまざまに変えてみる必要がある」「植生だけでなく植生学も変化する」などに共感。話を聞いてると、自分のやりたいことや興味あることを信じてやろう、という気持ちを新たにする。
 エクスカーションの説明会。コースが長いので、例年のような道草食いまくりをせずに登山のペースで歩くようにとH嘉さんからの指示。御意。
 
懇親会
 大学生協食堂にて懇親会。地酒の数々。すばらしい料理。後で大会会長から聞いたところによると、唐揚げだのフライドポテトだのどこでも食べられるようなものは一切出さないことにして、その分、高知の料理に振り替えたのだとか。チャンバラ貝(マガキガイ)、イセエビ、カメノテヒオウギガイ、ウツボのたたき、カツオの塩タタキ、カツオのたれタタキ、シホウチクのお寿司、グレの塩焼き。その他たくさん。いろいろな方と懇親したり、学会最年少参加者のN廣C君(小学4年生)とふざけあったりしていると、今大会の実行委員長であるH嘉さんが近づいてきて、懇親会の最後に次回大会の実行委員長からのあいさつをせよという。そうだった。僕は次回大会@大阪の実行委員長を仰せつかっていて、最初は僕でええのか疑問であったが、うわさによると実行委員長というのは肩書は一見立派そうにみえるがその実は下っ端仕事をする係であると聞き、それなら僕がそのような係に任命されたことについては納得できる。その点は飲み込むけど人前でのあいさつはそんなの苦手やりたくない。それでお酒に頼ることにして、懇親会の後半はおいしい日本酒をつぎつぎ飲んだ。なんやこれ。おいしいやないか。日本酒も料理もすばらしい。次回大会を前にこんなにハードルを上げてくるとはH嘉さん何すんねん。ホスピタリティ最高やないか。ここはひとつ次々回大会のためにも、次回大会でハードルをいったん下げておかんとな。いよいよ挨拶の順番がまわってきた。会場のマイクが不調で、会場の後方には声がとどいてなさそうだ。マイクをつかうのあきらめて、肉声にて、まずは後ろの人まで聞こえるか確認すべく、聞こえますかー!いえー!とコールアンドレスポンスを数回繰り返す。調子にのってアリーナ聞こえるかーとやりたかったが、大人だからぐっとこらえる。大会日程とエクスカーション予定について少々の説明をし、高知大会のすばらしさを称賛したのち、来年の懇親会ではタコ焼きしか出さないと宣言した。飲み物はホッピーだけや。そしたら東の方は想像を超えて素直な人があるらしく、物議を醸した。ほんとうにタコ焼きだけなんですかといったことを悲しそうな表情で複数の方から質問され、心が痛んだ。
 20時30頃だったか、懇親会を終えて、高知の中心部へ帰る路面電車に乗る。1本のがすと次がなかなか来ないので、ほとんどみんな、おなじ電車に乗っている。この感じ、鳥取大会以来だ。貸し切り電車みたいでなんか楽しい。はりまや橋で降りてホテルへ帰る前に、「もう1軒だけいっとこか」という自然な流れで、宮崎大のN脇さん、甲南女子大のM村君、最近所属が東京方面に変わったU田君、僕、学生oqさんの5人でPIENO settimoというイタリアンなお店に入る。白ワインやサングリアを飲む。ハモンセラーノゴルゴンゾーラ、パルメジャーノ。あとウツボフリットたべたっけ。メンバーがだいたい草原だという話になったときにoqさんは「私は林縁です」といい放ち、U田君が「いまは林縁がアツい。林縁のレビューがこないだ出てた」と応じ、もりあがる。