日本生態学会ロゴマークのトリビア(あなたの知らない隠れキャラ)

 上記のとおり,あのマークは「植物・動物・昆虫などが関わり合いながら循環している様子を表現し」たものである.しかし,具体的にどういった要素がもりこまれているのかはこれまでに公表されていない.ここに作者から聞いたことを書き留めておこうと思う.minacoさん(仮名)の許可は得ている.
 ロゴマークの拡大図版がesj59のプログラム116ページに出ているので,関係者の方はぜひそれを手元において見て欲しい.
 まず,全体に左回りな図なのに鳥だけが右回り方向を向いている.これは,昆虫をめぐって魚と鳥が「競争」していることを表すためである.おそらく水面に落下した昆虫をめぐって争っているのであろう.つまりここでは「食う-食われる」も表現されている.このあたりは,見れば想像がつく範囲だ.
 つぎに魚をよくみてほしい.尾びれの手前のウロコに小さな点が打ってある.これは印刷ミスではない.minacoさん(仮名)がわざわざ書き加えた点だ.この点は寄生虫である.ここで「寄生」も表されている.これは,このロゴのなかでもっとも小さな意匠であるため,作者から説明を受けた人以外はだれも,おそらく寄生虫の研究者の方ですら気付いていなかったのではないかと思う.
 どんぐりはいうまでもなく「移動分散」と「繁殖」の象徴である.
 左にある一滴の水.これは生き物をとりかこむ「無機環境」を表すとともに,「生態系での物質循環」をも象徴している.なんとなれば,minacoさん(仮名)は土壌呼吸の専門家,マターフロー野郎である.いきものばっかりじゃなくって二酸化炭素だの水だの亜酸化窒素だの,そういった無機的なものをどうしてもロゴで直接的に表現したかったのだ.この水滴にこそ,minacoさん(仮名)の研究への愛がほとばしっている.
 さいごにかたつむり.この殻をよくみてみよう.なんとこれが左巻きだ.もしかしてこれは,かっちょいいヘビのいる島で見られるあれではなかろうか.
 「minacoさん(仮名),かたつむりが左巻きなのは『進化』を表現しているの?」
 「え?左巻きだった?知らなかったよ.こっちむきのぐるぐるのほうが書きやすかっただけだよ」