日本生態学会のロゴマーク誕生秘話

 日本生態学会の2つのオフィシャルロゴマークのうち,マジメな書類になじまない方は,とてもかわいい.ヘタウマな生き物たちの絵にこれまたヘタウマなESJの文字が添えられてる.
 このロゴマークをつくったのは,われらがヒロインminacoさん(仮名)だ.*1
 たしか2006年3月の第53回日本生態学会大会@新潟で,ロゴマークのコンテストがあった.当時,お金に不自由な大学院生だった(オーバードクターだったかも) minacoさん(仮名)は,毎日冷凍うどんばっかり食べていて,ついには栄養不足なのかツメが変形しはじめた.なんとか食生活を立て直したかったminacoさん(仮名)にとって,ロゴマークコンテストの賞金5万円(だったっけ)はたいへん魅力的に思えた.なにがなんでも優勝賞金をもぎとって普通の食生活にもどりたい!と本来的な意味でのハングリー精神をたぎらせて裏紙にペンを走らせた.へろへろふにゃふにゃと実に適当な絵をほんの数分ででっちあげ,さらに十数秒後には「植物・動物・昆虫などが関わり合いながら循環している様子を表現してみました」などと子供じみたコメントまでしたためたのである.
 蓋を開けてみると応募作は11点のみ.そして,minacoさん(仮名)のヘタウマゆるゆるロゴマーク参加者たちの圧倒的な支持を得てしまった.得票数ではぶっちぎりで1位だったという参加者たちの支持を順調に集め,僅差ながら1位を獲得してしまった.おそるべしminacoさん(仮名).まんまと5万円をせしめるのか.
 しかし,そうは問屋がおろさなかった.竹中さんが書き残しているところによれば,minacoさん(仮名)の作品はロゴマークを選定する会議の場で,そのあまりの脱力っぷりが問題視されたようだ.そして,脱力をみじんも感じさせない2位の作品までがオフィシャルロゴマークとして認められた.要望書のヘッダを脱力ロゴが飾るのも悪くないと思うので,ちょっと残念.
 賞金が半額になったと,いまだにminacoさん(仮名)は根に持っている.
 ※この記事は,基本的に事実に即していますが,3%くらい盛ってます.※
 ※(3月26日追記) ぶっちぎりの1位ではなく僅差の1位だったそうです.訂正します.※

*1:(minacoさん(仮名)のひととなりは,こちらの2004年5月7日の記事を参照されたい)