集中講義

 神戸の大学で集中講義。「緑化と生物多様性」といったテーマ。「生物多様性外来生物問題」やら「善意の自然破壊」やら「日本の植生の多様性(を示すスライドショー)」やらでまずは3コマ。かつての教育学部で、学部名の変わった今でも教員を目指す学生がそれなりにいるので、へんなビオトープをつくらないために必要な知識を伝えておきたく。また、立地環境と生物種の対応って、意外と学生は意識していないので、さまざまなタイプの植生のスライドショーはそこそこ受けていた様子。ハッチョウトンボとかマングローブがイチバン人気だった。
 4コマ・5コマ目は小雨そぼふるなか、大学とその周辺の植生や植物をみながら散歩。六甲山中腹をテラス状に造成した宅地の中を歩きつつ、緑化で使われた植物や、民家の庭から逸出した園芸植物などをみてあるく。ニセアカシアの横走する匐枝がむき出しになっていて,じっくりと観察できる場所があった。石垣にはペラペラヨメナ(ガーデナーの言葉でいえばエリゲロン・カルビンスキアヌス)がたくさん侵入していた。そのほか葉っぱのにおいを嗅いだり、種子や果実を観察したり、食えそうな果実を味わったりしながら歩いた。出発前に学生には課題をだしておいた。(1)この散歩コースでできる小学生対象の環境学習プログラム、(2)大学構内につくる学校ビオトープのコンセプト、以上のいずれか1つを提案せよ,というもの。散歩はそのためのネタあつめという位置づけで。(1)の課題を選んだ学生の方が多かった。相対的に女子の方が自由で楽しそうな発想のレポートを提出してくれた。男子はどちらかというと「理科の実験」のような硬いプログラムを書く学生が目立った。