12月の講義・講演の予定

 12月3日に大阪産業大学の人間環境学部へ出張講義の予定.勤務先の学校(来年度より大学院開設)の宣伝を兼ねている.広報部隊より,ちょっといって授業やってきなさい,という命が下ったので.テーマは「人と草原のかかわり」などという大それたものとなっている.草原の成立要因の説明をしたあと,カヤ場の草原の現状,畦畔草原の現状について例を示し,それらのハビタット(と結び付く生き物)の保全の方策を考えてもらうような講義を考えている.前半30%は,先日の秋田のシンポジウムの資料が使えそうだ.受講者が200人もいるとのことで,昨年のG大学の悪夢がよみがえる可能性もある.受講者のほとんどは文系であるらしい.投影資料をつくるために,まずは「講義の目標規定文」を書いた(「目標規定文」は論文の書き方の本に出てくるものだけれど,講義デザインをするときにも僕はなるべく最初にこれを書く).それから,メインのストーリーの中で伝えたい事柄・概念を列挙した.さらに,付随して伝えておきたい事柄を列挙した.これを元にアウトラインをつくって,投影資料をつくる予定.
 12月10日には,緑化業界の勉強会である“***環境緑化研究会”というところで,自生種緑化をテーマにしゃべることになっている.これまた突然に勤務先のえらい人から頼まれたもの.前にも書いたかもしれないが,最近,緑化業界の一部で流行しているらしい自生種緑化(もちろん地域個体を使うのだが)に,僕はちょっと違和感を感じている.とくに,生物多様性への理解のない人が主導しているときに違和感を感じる事例がある.たとえば,自生種・地域個体群を大量増殖して花壇に植えたりする例があるのだが,それを生物多様性への配慮などと称してやっているのをみると,違和感がいわいわと沸き立ってくるのだ.その違和感のねもとを整理したら,(保全生態学からみた)自生種緑化のあるべき姿が見えてくると思っている.昨年来きちんとまとめたかったテーマで,自分の中では熟してきつつあるので(といっても僕のへっぽこ脳みそでの熟成なのでぜんぜんたいしたことはない),今回の講演を機に,あるていどまとめたい.大枠は「“自生種緑化”は,“緑化における生物多様性への配慮”を目的としたときのひとつの手段であったが,ときとして,生物多様性への配慮とは無関係に手段だけが一人歩きしていたり,手段が目的化したりしていることがあって,それはおかしいぞ」ということを示して,自生種の適正な利用について指針を示せるような内容としたい.←できるんか?
 12月16日には,勤務先の「園芸療法」コースの学生への講義をすることになっている.持ちネタで講義をすればよさそうなものだけれど,学生からのリクエストではかしわもちを扱って欲しいとのこと.園芸療法コースの学生に役立つものとすることを考えて,「行事と植物と里地の植生」といった内容にできるとよいかと思っている.でもこれ,下調べがたいへんだ.