前期最後の授業(らしい授業)

 木曜1限は1年生の講義.「生物多様性に配慮した緑化」や「生態系と調和する緑化」を計画するための知識の習得を目的として開講している科目である.4月から7月までに13回の予定でやってきたが,のこる2回はテストと植物同定のトレーニングに当てているので,講義らしい講義は今日が最後だ.後期は演習科目しか受け持たないので,1年生全員とがっつりつきあう講義はこれが最後かもしれない.ここ数ヶ月,講義の準備は(2年目の今年もあいかわらず)大変だったけど,少人数の学生を相手に,双方向のコミュニケーションを図りながらの授業で,たのしかった.
 今日の授業の最後に,ひとつ,言いたかったことを伝えた.それは,この学校にいるうちに生きもののにぎわいを楽しむ体験をたくさん積んで欲しい,ということだ.先日のコメント欄にも書いたが,生物多様性保全計画や,生物多様性を楽しめるような緑化計画に携わるには,そうした体験が不可欠だ.それは,講義で伝えられるものでもない.日々の暮らしのなかで体験するしかない.これまで,授業で折に触れ,そのとき咲いている花を紹介してきた.それは,身の回りでつぎつぎに咲き変わっていく草や木の花に気づいて欲しいと思っていたからだ.植物の学校に通う彼らには,花壇の植物だけでなく,もうちょっといろんな植物とその生きざまを楽しんでもらいたいと思う.それで,今日の講義の最後にホワイトボードにこのように書いた.
 「道草をくおう」
 アメル先生ならフランス万歳と書くところだ.