吹田紫金山・アカメガシワの油・ハゼラン

 某所より植物調査の講師を頼まれていて,その下見のため,吹田市の紫金山へ行った.主に孤立二次林とため池からなる都市公園である.おもしろいのは,都市公園内に水田があったこと.水田は,公園の要素として必要だと常々思っているので,こういう公園があるとうれしい.こういうところで子供たちが自由にカエルと戯れることができればなおすばらしいと思う.ほかにもこの公園には,バッタの広場と称する,低頻度の刈り取り草原(みためは雑草の原っぱ)があって,こういう一見いいかげんな原っぱも都市公園にあるべきだと常々思っていたのでうれしい.
 アカメガシワの果実がたわわになっていたので,これを集めてにぎにぎと握っていたら,手のひらが油でぎとぎとになった.アカメガシワにはたっぷりと油が含まれているようだ.きっと種子散布を担う鳥にとっては,その油が魅力なのだろう.
 公園の周辺で小さなピンク色の花が咲いていた.同行した人が「これ,よく見かけるのだけどなんですか?」と聞く.うーん.なんでしょう?わかりません.持って帰って同定しようとしたけど,花が咲いてるというのに科の見当もつけられない.なさけない.そんなときぼくの勤務先は便利.園芸植物や栽培植物にとても詳しい人がたくさんいるから.現物をみてもらったら0.5秒で解決.和名はハゼランスベリヒユ科Talinum属だそうだ.マツバボタンと同属だが似てもにつかない.花の直径は6mmほど.ふーん.スベリヒユ科ねぇ.図鑑でも再確認.平凡社「日本の帰化植物」にも,全農教「日本帰化植物写真図鑑」にもきっちり掲載されておりました.
 あとセリ科も一つ持って帰ってきたけど,これはまだなんだかわからない.イネ科はアゼガヤで,ちいさなちいさな小穂が総状になっているのはとても特徴的でかわいいと思った.