モニ1000講師,爆裂アレチヌスビトハギ

 9月14日から15日にかけて吹田市の紫金山公園でモニ1000一般サイト講習会の講師をした.モニ1000一般サイトの植物調査は,市民参加で月イチの頻度で調査をおこなうというもの.月イチなので,多くの種を開花/結実のあるタイミングで観察することができるため,専門家でない人も参加しやすく,かつ,それなりに信頼性のあるデータが得られるということになっている.モニ1000の里地里山は日本自然保護協会が総括しているらしい.そこで働いている人たちはみんな,豊かな発想力とすばらしい実行力と生物への深い造詣を備えていらっしゃる.そんな人たちと夜は居酒屋で懇親会をやったので,ずいぶんと楽しい刺激をうけた.
 講習会では,植生をみて調査区間を分割するときの視点とか,植物相調査のときに気をつけることとか,そういう話しをしながらぶらぶらと紫金山公園をめぐって調査の実習をした.途中,アレチヌスビトハギがたくさんあったので,この花にシャーペンの芯をつきさして爆裂させて遊んだ.これは参加者に大変ウケがよかった.みんな口々に,こんどの観察会でやってみよう,などとおっしゃっていた.この花,蜂が訪花して吻を蜜腺に突き刺したとき,翼弁・竜骨弁がパチンと音をたてて下方へはじけ,同時に雄しべが上方に跳ねあがって蜂の腹部に花粉をたたきつけるようにできている.シャーペンの芯で人間がつついても爆裂する.これがとてもおもしろくて,参加者の方々といっしょに爆裂させまくった.アレチヌスビトハギが爆裂するという話は,岐阜大学にいたときに高橋先生に教えてもらった.
 講習の最後に,おすすめ図鑑の紹介,標本のつくりかた,博物館の上手な使い方,以上の3つについて,ぼくの思っているところをお話しした.博物館の上手な使い方でぼくのおもうところは何かというと,博物館主催のセミナーとか観察会に頻繁に参加して,学芸員や研究員の人と顔なじみになってしまおうということ.そうしたら,なにか分からないことがあって質問にいくのも行きやすいし,だれに聞けばわかりやすく教えてくれるかもわかろうというものだ.もちろん顔なじみになっていなくても,博物館は質問には丁寧に答えてくれるけど,どうせならば,楽しく気持ちよく,博物館を活用するほうがいいではないですか.関西にはいい博物館がいっぱいあるしおもしろいセミナーもしょっちゅうやっているので,どこの博物館もおすすめですが,やっぱり自分が身を置いていた博物館をイチオシしてきたのであった.