unstoppable老眼

 最初は植物の微細な毛がみえないなあと思っていた.2年くらい前のことだ.どんどん進む.小さな字は読みにくい.こないだのエクスカーションのときはカヤツリグサ属の果実が三稜形かレンズ型かが見えなかった(結局それはレンズ型でカワラスガナだった).シートピッチの狭い飛行機にのったときは前の座席の背もたれがフォーカスエリアに入りにくくて気持ち悪かった(この日はよほど調子がわるかった).植物をみるために指先の感覚をもうすこし研ぎ澄ませないだろうか.毛があるかどうか,レンズ型か三稜形か,そういったことは指先でわかりそうな気がする.
 30才のころの僕がよくしていた遊びは老眼ごっこ.手に取ったものを近づけたり遠ざけたりを2回ほど繰り返したのち,メガネをはずしてぐっと近づけてみつめる.この一連の動作をすると「え?もう老眼?」とおどろく人があった.ひどい自分.そういうことをしていたから,いま本当の老眼なのに「まだそんなことして遊んでる」といわれて,老眼がばれない.