明石海峡のこっちとあっち

 北淡路の丘陵地は花崗岩の山で,植生もぱっと見た感じは六甲山によくにている.途中,明石海峡で海中に没しているものの,六甲山系まで弧を描いて連なっているように思うときもある.しかし,種組成はなんとなくちがっていて,意外なものが欠落していることにときどき気付かされる.
 コシアブラとタカノツメは六甲山では普通にみられる植物だが,淡路島の植物誌をみると,コシアブラ・タカノツメは記載がない.そういえば淡路島に入植してから,コシアブラやタカノツメを食べていない.滋賀に住んでいたころは,近所の山にいけば探すまでもなくいくらでも採れたので,春のおかずとして重宝していたけど.
 個々の種の分布のあるなしには,いまの気候や地質との対応だけじゃなく,それぞれに歴史的背景があるはずで,そこは気になる.淡路島の成立過程を理解しておく必要がある.