畦の大豆

 聞き取り調査から.未整備の水田では水漏れを防ぐため,畦を塗った(畦に泥を10cm以上の厚さで塗った).この畦の泥の部分に,かつてはダイズを植えていた.いまでも植えている田んぼをいくらか見かけるが,昔はほぼ全ての田んぼの畦にダイズが植わっていたそうだ.春,畦を塗ってしばらくたって乾いてきた頃,大人が一定の間隔で穴を開けて歩く.子どもはその穴に3つぶずつダイズを播いて,すりぬか(もみがらくんたん)を覆土代わりに載せていく.くんたんは虫除けのために必要だったという.晩秋,稲刈りの後,ダイズが乾いて,いまにもはじけそうになったころに収穫する.収穫の際にヘタをするとはじけてしまうのでそうっと刈る.刈った大豆は,稲の脱穀機にかけて脱穀.写真はいまもつくられている畦のダイズ.いまにもはじけそうなので,収穫期だろう.