カイエビとホウネンエビ

 僕が住んでいる集合住宅の隣は水田だ.この水田は淡路島北部ではめずらしく平地にひろがる水田で,さらに,平地の水田にはめずらしく圃場整備がなされていない.つまり,とても素敵な水田である.近所のスーパーで買い物をするついでに,僕はときどきこの田んぼに散歩にいく.

 田んぼの水の中でなにかうごきまわっている.すくってみたら,どうやらカイエビみたいだ.カイエビは二枚貝のような殻をもつ甲殻類.日本産カイエビ類には数種類があるらしいが,これが何カイエビかは僕にはわからない.手元にカイエビを同定するような図鑑もないし.カイエビを掬ってあそんでいたら,ホウネンエビもいることに気付いた.こういった不気味でかわいらしいいきものがお隣の田んぼにいるというのがなんとも嬉しい.カイエビもホウネンエビも乾燥に耐える耐久卵をつくって,田んぼに水がない季節をのりこえる.その性質で,水田という季節的な水域で世代をつないでいくことができる.


カイエビ.右の個体は背中側をこちらに向けている.左の個体は体側をこちらに向けている.殻は半透明.


ホウネンエビ.腹側を上にして泳ぐ.背泳ぎか.しっぽが赤いのがキュート.
どっちの写真もぼけている.このひとたち,動きが速すぎてうまく撮れない.

 カイエビとホウネンエビにいやされてしまったが,明日の授業の準備がぜんぜんできていなくて,しかも,何をやればいいかよくわからんテーマの日なので,かなり困っているのである.というわけで,日曜だけど授業の準備をしにいこう.せっかくだから,カイエビとホウネンエビを授業につれていこう.