クリスマスと公立学校

 うちの学校の庭園にあるおおきなセンペルセコイヤに学生とインストラクターの方々がクリスマスの飾りつけをした.たのしそうな雰囲気になった.そこで気になったのがこの学校が公立学校ということだ.政教分離の点で大丈夫か?
 法学の本が手元にないのでネットで調べた範囲だが,結論からいうと公立学校でのクリスマス行事は問題はないらしい.探し方が悪いのか,ウェブ上では信頼できそうな情報になかなか行き当たらなかったがこのページがわりと参考になった.

習俗的行為であれば許される。ある行為が,特定の宗教に源をもつものであっても,一般人にそのことを感じさせない程度までに生活様式化・慣習化している場合は「宗教的活動」に該当しない。

《習俗的行為か否かの判断基準》

行為の主催者が宗教家か否か。
行為の順序作法が宗教界で定められたものか否か。
行為が一般人に違和感なく受け入れられる程度に普遍性を有するか否か。

 これからみれば,現在の日本においては,クリスマスのときに針葉樹に電飾や装飾を施すことは,十分に習俗的行為である.
 以上の話を1人の学生にしてみると「クリスマスツリーくらいでがたがたいうほうがどうかと思う」という過激な意見をいただいた.たしかにいまの日本ではクリスマスは恋人たちと子供たちのためのお祭りという認識しかなくなってるようにみえる.キリストの生誕祭であることは忘れられている?(それもあんまりだとおもうが).けど,政教分離原則は信教の自由に関わる重要は話で,とくに少数者の権利の保護に通ずる話なので,がたがたいうのはアリだと僕は思っている.上の発言をした学生は日ごろは原理原則を大切にするとてもまじめな学生なので,そのギャップにちょっとおどろいた.恋人たち世代の乙女(にかぎらないが)にとって,クリスマス行事に水を差すものは非難の対象みたい.
 クリスマス行事についての宗教色のなさについてはもうひとつ傍証がある.「宗教のない世界を思い浮かべてごらん」と語りかけてくる平和主義者のジョンさんが「クリスマスおめでとう」と歌い上げていることである.
 なお僕自身は何らかの宗教を信仰しているということはない(宗教の文化的側面は面白いので興味はあるが).あえていえば空とぶスパゲティモンスター教の信者かも.ラーメン.