位置決め,丁張り,掘削.

 水曜の選択の演習.先週から施工といってたけど,先週はまだまだ既存構造物の撤去や地ごしらえくらいのことしかしていない.施工らしい施工は今回からか?午前中は平面図を参照して位置決めし,杭と貫き板を使って構造物の設置基準となる水糸を張った(丁張り).午後は基礎を敷く面まで地表を掘削した.演習で作る構造物はレンガをつみあげる花壇の部分とコンクリートの簡易舗装による園路からなり,いずれも基礎は最下層に砕石を敷き,そのうえに基礎コンクリート(捨てコン)を打設する.その上にはレンガなり仕上げのコンクリートなりを積み上げることになる.
 僕の専門とは思いっきりかけ離れた演習だが,所属部門の担当の演習であるし,来年度も担当することになるだろうから今年はできるだけ学んでおかねばならない.というわけで,今日も一日付き添い.でも義務感で出ているのでなく,これ,学んでいて面白い.
 今日の予定は,掘削のあとで砕石敷き均し・基礎コンクリート打設まで進めることになってたが,掘削の終わるころには日が暮れた.もっとも,ここまで進んだだけでも上出来かと思う.片付けが終わったあとで,のこりの施工工程についてミーティング.今回のデザインでは,基礎の深さの異なる構造物が隣接していたり,基礎コンの上にのるものが場所によってレンガだったり仕上げコンクリだったりピンコロ石だったり様々で,工程や工法を決めるのがむずかしいらしい.なるべく工期を短く仕上げるためにはパズルを解くようにして計画をたてなければならない.複雑で頭を抱えるが,インストラクターの方々から的確なアドバイスをもらえるので,学生はたくさんのことを学んでいるはずだ.
 ちなみに今日の演習で門前の小僧たる僕が学んだこと(植生学屋はこういうことを学ぶ機会は少ない).

モルタルは,セメントと砂を1:3.コンクリはセメントと砂と砂利を1:3:6.
・レンガなどを並べる下にはモルタルの空練りで位置決めをする.空練りとは,水をくわえない粉体状のモルタル.水を加えないまま上にレンガをならべる.施工しやすい.モルタル自身は空中の湿度を吸ってそのうちに硬化して強度が出る.
モルタルを水で練ったものをレンガの下に使う場合は,レンガを水に浸して吸水させておく.そうしないと,レンガがセメントのアクを吸い込んで表面がたいへんきたないことになってしまう.
・かけやで杭を打ち込むとき,杭が低いばあいは片方のひざをついて打つ.そうすればかけやの頭が杭に垂直にあたるので曲がっていかない.Tips!
・杭がななめに入っていったら,くいのきわの地面をかけやでたたいて修正する.Tips!

 まあ他にもはじめて知ることが1回の演習ごとに山ほどあるのであった.いつか何かの役に立つであろう.とくに保全や自然再生の現場では.
 今日は演習がおわったら19:30で,ぼくはまたヤラネバのデスクワークが棚上げになってしまった.だいじょうぶかな?ほんまに.