里モニ。の現場をみにいった

 環境省のプロジェクトでモニタリングサイト1000というのがある.日本全国,さまざまな生態系タイプに1000箇所程度のモニタリングサイトを設定し,100年以上にわたるモニタリング調査を実施しよう!という壮大かつわくわくのプロジェクトである.略称は「モニ1000」.このうち里地におけるモニタリング1000の略称は「里モニ。」だそうだ.モニタリングを10年20年とつづけていくうちに「なんで里モニ。って句点つきなんだろ?」と,句点の理由がわからなくなるであろう(ほんとは句点はつきません).
 淡路島の里地のモニタリングサイトがうちの学校からほど近い集落に設けられている.市民参加の調査者としてうちの学校の生涯学習コース修了者のグループが担当することになっているらしい.本日は調査を担当してくださる皆さん(素敵で無敵なおばさんたち)と,モニ1000の委員である研究者の方々と,そしてNACS-Jの保全研究部の方といっしょに現地を踏査してきた.
 場所は,前にmatsut氏と畦畔めぐりをした場所とだいたい同じ地域.山の上のほうまでいくと,とても水のきれいなため池があったりして,前とはちがう発見がいろいろあって面白かった.コナラ林はみごとな黄葉で,コントラストの弱い曇天だったにもかかわらず明るく輝いて見えた.畦畔ではタツナミソウの仲間,リュウノウギク,スズサイコ,アブラススキ,シマカンギク,ツリガネニンジンヤマハッカなどがまだ咲いていた.スミレやレンゲも咲いていた.そういえばここ数日は暖かいがそのせいか?
 畑で農作業をしていたおばあさんがシニアカーにのって家へかえろうとしていた.農業の(畦畔管理の)担い手の高齢化を象徴する景色だ.棚田がまとまって放棄されてクズ群落となっているところも多い(写真).水田は現役だけど,そのそばの畦畔はもう管理をやめているような場所もある.未整備の圃場が多くのこるこのエリアで畦畔の草原はいつまでのこるだろうか.100年先までこの畦畔の変化をおいかけるプロジェクトの結果はどうなるだろう.
 ほんとうは火曜の必修の演習の日で,僕のたのしみにしている「景観園芸植物」(造園に使う植物を40種くらい教わる日)だったが,モニってしまった.同行のみなさん,おせわになりました.
 で,ヤラネバのデスクワークはまだとどこおっているのであった.だいじょうぶかな?