ゼミ、訪問ゼミ、地理学ドライブ、にくてん

 2限はゼミ。学生が冬休み中の進捗を報告。oqさんは論文をまとめていく方向がかなり明確に。どういった図表を作成するかが見えてきつつある。
 夕刻より、神戸学院大学の人文地理学のY先生のところへoqさんとともに訪問。oqさんの研究は民俗学や人文地理学の範疇に属するものなので、訪問ゼミをしてご意見をうかがおうということで。思っていた以上に楽しんでくださって、いくつかのご助言をいただいた。発表したことと助言をいただいたことで、oqさんは視点や思考の整理がすすんだことと思う。
 訪問ゼミを終えて、Y先生の車にのって神戸学院大から明石駅まで、ブラタモリ的な地理学エクスカーションドライブ。河岸段丘の上段に位置する大学周辺は水が得にくくかつては水田がなかった。農業に不向きだった。現在は都市化している中で花卉栽培がおこなわれている。農業がちゃんとできるようになったのは大学ができ、高速道路ができ、町ができて水道がとおったからだという。水道水を使って農業がおこなわれている。都市近郊農業ではそれでもコストが引き合うのだとか。おそらく神陵台から松が丘北町にむかって、せまく入り組んだ道を通って段丘崖を下った。第二神明の大蔵谷インターの東端をかすめてアンダーパスしたように思う。段丘崖に沿ってマンションが立っているところから大蔵谷の底へ。そこから谷をそのまま下って、JRと山陽電鉄をくぐって大蔵町へ出た。かつての西国街道の町家をみながら、昭和っぽいシャッター街、稲爪神社をみながら進む。稲爪神社あたりでは神戸学院大学が地域にとけこんで様々な活動が行われているらしく、神社の境内で大学生・大学教員による地域の写真展が開催されていた。西国街道の桝形の屈曲を西へと進み、中崎公会堂の立派な建物をみる。そのあたりのクロマツの並木が立派で、どうも砂丘地形の名残りではないかと思われる盛り上がり。堀を掘った土を盛ったとのことだが、もともとの砂丘地形の後背に堀を設けて、その残土で砂丘をさらに高めたのかもしれない(これはY先生の解説ではなく僕の妄想)。Y先生の車はジムニーマニュアルトランスミッション。小さな路地をくるくる走り回るのに最適。Y先生に似合っていると思った。
 地理学者の解説付きの贅沢なドライブを終えて明石駅へ。大蔵町あたりのたたずまいはタイムスリップしたような面白さがある。車をおりて、いままで見てきたものが夢だったんじゃないかと思うほど、駅前の風景とギャップが大きい。すぐそばなのに。駅前は再開発の真っ最中で、4機のタワークレーンが並ぶさまが壮観。Y先生のおすすめのお店でお酒をのむことに。にくてんお好み焼き)とおでんと日本酒のおいしい店で22時30分ごろまでたのしく飲む。
 にくてんは、昭和中ごろに駄菓子屋で食べられていたお好み焼きのこと。じゃがいもが入っている。これ、高砂市周辺のローカル食かと思ってたけど、明石にも昔からあったらしい。大蔵町では60〜70代の人は駄菓子屋のにくてんといえばテンションがあがるものだったという。たしかにめちゃくちゃおいしい。淡路島でも(少なくとも北部では)お好み焼きのことをにくてんと呼ぶ。ただし、じゃがいもは入らない。淡路島北部のにくてんはむしろ神戸のお好み焼きに近いイメージだ。このお店のおかみさん(おそらく50代半ば)、伊川谷のご出身。アオダイショウのことを「のきまわり」、ヒキガエルのことを「おんびき」と呼んでいたそうだ。ウバメガシは淡路島とおなじく「ばべ」と呼んでいたそうだ。
 

神戸学院大有瀬キャンパスにはこの大時計があった。ひとめで明石市立天文科学館の塔についていたものだとわかる。阪神淡路大震災で壊れたものをここに移設し、再稼働したとのこと。
塔の上の時計を地上に設置したことと、もともとの時計のデザインとがあいまって、インパクトがある。
 

明石港ちかくの、にくてんとおでんと日本酒のおいしいお店。また行きたい。