ミツバアケビのたねをたべてみた

 こないだのゼミ(10月14日だっけ)のあとで、oqさんが高知の日曜市で購入したミツバアケビとムベ、それから研究科の事務職員N田さんがご自宅の近所で採集されたミツバアケビ、これを何人かで食べてみた。
 ふわふわの甘い部分を食べたついでに、試みに、口の中に残るタネを吐き出さずにばりばりと食べてみた。最初、ちょっと苦くて、直後にえぐみがひろがる。そのあと、不快な辛さが口いっぱいに広がって、これが水を飲んだりコーヒーを飲んだりしても簡単にはとれなくて難儀した。このいやな辛さは、以前、ツタの実の果肉部分を味見した時に感じた辛さに近い。えぐ辛い。唐辛子のような痛いけどさっぱりとした辛さではなく、口の中にねばりつくようないやな辛さ。おそらく言葉では伝わらないので味見してもらうほかない。
 いちど、アケビのタネをばりばりと食べてみた人はつぎからはタネを吐き出すか、飲み込むかするだろう。野外でアケビの実をたべて種子を運ぶ生き物が人間と同じ味覚をもっているわけではないのは承知した上でいうが、それでもあのいやな辛さはなんらかの防御物質なのではないかと思う。被食動物散布のタネにとって、報酬としての可食部を食べられるのはよいが、タネを壊されるのは困るだろう。カキのように、ゼリー状の層でかみつぶされるのを防いでるものがあるが、タネそのものをまずくしておくことも効果的だと思う。そういえばカヤだって、赤いところは食べるけど有毒といわれる緑の方を食べてみようという気にはなれない。