イボタガ

 リメディアル的な演習科目で森林植物園へ行ってきた.勤務先の大学院は,異なる分野から進学してくる学生もけっこう多い.そんな彼らに,植物の分類や生理や生態の基本を身に付けてもらうための科目だ.あいにくの天気だったが,演習がおわってから本降りになったのはラッキーだった.演習の間は小雨がふったりあがったりで推移してたので.

 イボタノキにすごくきれいなペパーミントグリーンのイモムシちゃんがいた.丸々と太ってて,さわるとつるつるでぷにっぷに.ぷにっぷにー?イボタノキにいるからイボタガかなと思って,あとからしらべたら,多分正解.終齢幼虫だろう.今日は雨だったからWG-1で撮影したのであまり写りはよろしくないが,下の写真みたいな感じ.背面はあざやかなペパーミントグリーンだが,腹面はちょっと濃い目の黄緑にちいさな黒い点がちらばっていて,イボタノキの若い枝と同じ色模様.枝にぶらさがっているときは,上から見下ろす捕食者の目を多少はごまかせそうな感じ.

 この蛾の幼虫,終齢でないときは,ながーい突起があって,なんのためにそんなものがあるのか,気になる.そういう写真も撮ったことあったはずと思って探すが見あたらない.そんなわけで俺のイモムシフォルダは火を吹けなかったぜ!
 成虫の写真はちゃんと整理してあったのですぐ見付かった.この蛾をみたときなんと美しいのかと感心した.ほんとにきれい.こんなに複雑でおもしろい模様をつくりだすなんて.