レジュメ,できた

 未明に起きて,演習のレジュメをつくりはじめる.この科目は,植物専門でない学部から進学してきた学生のためのリメディアル的なものなので,レジュメ作りはそう大変ではない.
 今回のテーマは「野外調査における植物同定」.図鑑とその使い方について学ぶというもの.検索表の使い方を習得するのが目的.レジュメは,前半で同定のながれ,後半は「これから野外の植物に親しむ人たちにオススメする図鑑」と題した図鑑紹介.僕のおすすめの植物図鑑をジャンル別に合計20冊ほどを紹介する内容.これは2年数ヶ月前にこの学校に着任したとき,意外と野生の植物のことを知らない学生が多くいることに気付いて作った冊子を少しずつ改訂してきたもの.中身はアリモノなので,すぐできた.前半の同定のながれのうち,“検索表の使い方”については,過去にこの日記に書いた記事をもとに作成した.これもアリモノをリサイクルできたのでわりとすぐできた.日記が役に立つなんて!
 レジュメの表紙に,同定の演習にいそしむ学生のための励ましの言葉を,まきぞうさんのウェブサイトから(きちんと引用元を明記の上で)引用した.すごくいい文章だから,ここでも引用しておきたい.

苦労して,苦労して,やっとひとつの生き物の名前を知る.その瞬間,パッと拓ける世界があるのだ.それが何なのかと訊かれると,困るな.時により,生き物の種類によって違うので,一概には言えないのだ.
多くの名たちと繰りかえし出会う中で,ヒトの社会にとらわれていた視野が,少しずつ,大きな世界に向かって拓けていく.「ナチュラリスト」,ヒト社会を生き物世界の中に位置づける人たちは,そのようにして誕生するのではあるまいか.
(http://hosho.ees.hokudai.ac.jp/~makizoh/itsuten/namae.html)