ゲンジ

 淡路島北部の中山間農村集落で生まれ育った30代後半と40代前半の男性に,お酒の席で聞き取り.

 クワガタムシ全般をゲンジと呼んでいた.ノコギリクワガタの顎の大きいものをスイギュウ,顎の小さいものをマイカゴと呼んだ.値打ちのあるのはヒラタクワガタで,ヒラタクワガタには地域名はとくになくヒラタとよんでいた.このへんにはオオクワガタはいない.クヌギにはノコギリクワガタやカブトムシがいるが,ヒラタはいない.ヒラタクワガタをさがすのはニレの樹.昔は大きなヒラタクワガタがいたが,最近では大きなものはみない.捕まえたなかで一番大きかったのは6.5cm.子供のころ,クワガタムシをつかまえて船に乗って明石にもっていき店で買い取ってもらっていた.明石までいかなくても,富島(としま)の釣具屋さんでもクワガタムシを買い取ってくれた.こどものおこづかいかせぎだった.