A原小学校で七草粥の授業

 ここ数年,島内の小学校で七草粥の授業をやらせていただいている.授業の際に,島内出身の年輩の先生方から,島の七草粥に関する新たな情報をいただくことがある.それらを授業に反映させてきた.また,授業の進め方もいろいろと改善してきた.それで,授業内容がだんだん強くなってきたと思う.
 最近のマイブームは,事前にインタビューの宿題を出すこと.児童が父母と祖父母にインタビューをする.
 子供の頃に七草粥を食べたかというインタビューでは父母世代で5割程度,祖父母世代は9割程度が「食べた」.5年生児童たちは1割程度しか経験者がいなかった.父母・祖父母世代が七草をどこで手に入れたかの質問には「お店で買った」と「家の近所で摘んだ」が半分半分.七草は「せりなずなごぎょうはこべらほとけのざすずなすずしろ」に決まってたかとの質問には「決まってなかったので適当にやってた」が3割くらい.僕がおもしろいと思っている淡路島の七草粥の風習「ススキのお箸で食べる」については,今回のインタビューではゼロ件だった.ほとんどは「ふつうのおはし」.一部が「スプーン」.
 校長先生もお母さんに尋ねてくださった.校長先生のお母さんのお母さん(明治生まれ)は,なにか決まった歌を歌いながら七草を包丁で刻んでいたそうだ.どんな歌なのかはわからないとのこと.これはおもしろそう.その歌,ぜひとも発掘したいところだ.
 授業では3時間目に畑で七草採集.ハコベナズナ,セリのほか,ノアザミヨモギタネツケバナを摘んだ.現地ではスイバやノゲシを味見して楽しんだ.4時間目に家庭科室にもどって調理.いつもなら鍋に七草をぜんぶ入れてしまうが,今日は七草バイキングにするため種類ごとにゆでて皿にもりつけた.4時間目がおわって給食の時間にすこしずれ込んで完成.給食といっしょに七草粥をたべた.セリもナズナハコベもおいしい.単品でおひたしにしてもイケるレベル.ノアザミがまたばつぐんにおいしい.もう葉もの野菜は買わなくていいな.
 

畑で七草をさがす
 

種類ごとにわけて有毒植物がまじってないかチェック
 

種類ごとに皿に盛り,七草バイキング
 

ススキのお箸でたべてみる