あるうわさ

 文科省の大学評価の軸は,これまでは入り口側の定員充足率が気にされていたけど,これからは出口側の(その学部研究科にふさわしい就職先への)就職率へと移ろっていく,といううわさが聞こえてきた.これまで定員確保に注がれてきた諸々の労力が,就職先確保への努力へとどばっとシフトしそうだ.数ヶ月前だったか,村上龍がホスト役の対談番組みたいなやつで,カルロスゴーンとりゅーが「大学は企業のために人をつくれ」「そのための教育カリキュラムは現行のものとまったく違う」みたいなやりとりをしていて,そこでゴーンとりゅーが同意しあってた“企業のために人を育てる大学”のイメージはロマンチストの僕にはわりと残念なイメージで,どっちかといえば好きな部類だった作家や経営者がいっきに幻滅するようなことを言うてるわと,萎え萎えになりながらそれをみて,そのころ相前後して,しばしば異口同音を目にし耳にし,世の中のながれはますますますますせちがらいわ,なんて,もう流す涙も枯れ果てた.世間では就職氷河期の冷え込みますますきびしく,そのせいか,学生は夏休みともなると企業や行政へのインターンにいきたがる.それもええけど,それでええのか.もっとどっかちゃうとこいったらどないや.