七草

 島の西海岸のある小学校で,七草がゆの授業.昨年も実施しているが,昨年との違いは,この地域の七草がゆについて,今年の卒業演習の過程で学生が得た情報を折り込んだこと.なにかというと,七草がゆの「七草」は,いわゆる春の七草ではなく,もっと自由であったこと(ちょっと畑に行って野菜の葉っぱなどをいくつか採ってきたりとか).ススキの箸で食べたということ.いずれも,仁井地区での聞き取り.
 地域の状況を調査し,それに基づいて組むプログラムは,おもしろさが格段に増す.
 島の北部西海岸出身の教員の方が,「そういえばこどものころは七草はススキ箸でたべてた.食べにくくていやだった」と思い出を語ってくれた.この方の育ったのは野島地区の農家だそうだ.さらに,職員の方で,10年くらいまえまではススキ箸で七草がゆを食べたという方が現れた.この方は釜口の方.
 つまり,島の北部では,西海岸・山地部・東海岸のいずれにおいても,ススキ箸で七草がゆをたべる習慣があったようだ.