1日め,本渡.

 レンタカーを借りて,旅館にチェックインして荷物をおき,少し時間があったので,旅館の近所をうろうろと.
 天草市立本渡歴史民俗資料館へ.収蔵品をじっくりと見て回った.高度経済成長期前の天草の典型的農家とそこでの道具類の展示があり,シュロでできた蓑や,農機具などを興味深く見物した.と,淡路市の歴史民俗資料館でみた「どんざ」とそっくりなものがあるのに気付いた.学芸員の人にたずねてみたら,こちらでも「どんざ」というらしい.そういえば,淡路の資料館では九州から伝わったものだと言っていた.用途もほぼおなじ.漁師さんの作業着だ(淡路では,どんざが新しいうちは,漁師さんがおしゃれ着として使い,ちょっと古くなってきたら船上での作業着にしたそうだが).こちらの学芸員の方によると,全国各地の民俗に,天草から伝播したものが数多くあるという.天草にせよ,淡路にせよ,かつては大変に栄えていた時代がある.物流や移動の主役が陸上交通になる以前,海上交通が重要だったころには,島は栄えやすかったのだろう.島の資料館をみているとそんなことを想像する.
 同行の2歳児は,資料館で展示されていた考古資料の鉄剣(がびがびに赤さびがでている棒状のもの)を指さし「これうんち?うんち!うんち!」と叫んでいた.見るものを,知っているものにあてはめて認識するらしく,ときどき発言が面白い.
 夕暮れどきになった.祇園橋という石橋をみにいってから,地元のスーパーマーケットへ.総菜コーナーからスタートし,魚売り場をながめ,味噌や醤油売り場をながめ,豆腐,麺類,乾物などの売り場を巡回して,それらの地域性を堪能して,いくつかを購入して宿にもどった.