ちょぼ汁


 ちょぼ汁(だんご汁)は淡路島の郷土料理。ササゲがたくさん入っただんご汁で、ぱっと見た目はぜんざいのように見える。が、まったく甘くなく、鰹だしに塩やしょうゆで味をつけた、いわゆる吸い物の味。具はササゲのほかに、米粉でできただんごや、芋茎(標準語では"ずいき"だが、淡路では"ずき"と呼ぶようだ)が入る。
 淡路島ネイティブの知人から聞くところによれば、小学校の給食で年に1回くらいはちょぼ汁がでるらしい。そこには郷土の文化を次の世代に伝えようという教育意図があるようだ。ところが、一見あまそうにみえるが実は甘くないという点が小学生には大変不評で、教育意図に反して郷土の食文化に苦手意識が植え付けられるという、切ないメニューなんだとか。この話、一般的か、この知人の周辺限定かはわからない。
 僕はとてもおいしいと思った。毎朝たべてもいい。が、ササゲを使うあたり、つくるのはけっこう手間かもしれない。ハレの日のごちそうなのかな。