旧北淡町の棚田と畦畔草原

友人のmatsut氏の案内で旧北淡町の棚田地帯をめぐった。matsut氏は畦畔草原の研究をしているナイスガイであり、ぼくとは坊主頭仲間でもある。

この地域にはまだ圃場整備がおこなわれていない耕作地がかなり残されており、伝統的な畦畔草原をみることができる。ヤマハッカ、ツリガネニンジン、アキノタムラソウ、ヨメナヨメナ属のなにか)、マルバハギ、アブラススキ、ヒメアブラススキ、カナビキソウ、ミヤコグサ、その他様々な草原生植物を見て写真に撮った。

今後、このような種の豊かな畦畔草原は減少していく可能性が高い。その原因のひとつは圃場整備による生育基盤の破壊。もうひとつは管理放棄による遷移の進行である。今回の調査中にお話をきかせてくれた農家のおじさんによると、その地域でいま農業をやっている人は70歳台の人ばかりだとか。田んぼをやる人が減っているので、ため池を満水にすることもないのだそうだ。実際、この地域で畦畔草原をみていると、ほんの数年前に放棄されたとおぼしき畦畔も多い。管理の担い手不足が原因となる草原の多様性の低下はほんの数年後に一気に進むかもしれない。

今回の調査中に撮影したデジタル写真には、ソニーGPS-CS1Kを使って、緯度経度情報を流し込んだ。2台のカメラを使ったが、そのうちの1台、時刻はとても正確だったが、日付の設定が1ヶ月ずれていた。うかつ。筑波大の西田さんのホームページフィールドワークを参照して、こういううかつは排除せねば。CS1Kの付属ソフトで緯度経度を流し込んだ画像は、付属ソフトだけでなくカシミールで開いても撮影場所に自動的に配置された。