まあまあ、かな?

「景観園芸と外来生物」というタイトルで、生涯学習コースの授業。コース全体としては「緑のまちづくり」といったテーマがあり、今回の外来生物の授業はその部品である。


市民活動といえども、緑化に携わるということは、植物の外来種問題の当事者になるということだ。まず、外来種問題の当事者である、ということを意識してもらわないといけない。当事者なのだから、外来種問題や生物多様性について理解しておくべきだ。
たとえば、「生物多様性を守ろう」というとき、何を守ろうとしているのか。外来生物って「外国から来た種」という理解だけでいいのか。外来生物はどうやって生物多様性に影響をおよぼすのか。緑化では、どんなことに気をつけたらいいのか。こうした内容を、わかりやすく伝えることを目指した。


また、市民活動としての緑化にはプロの緑化とはちがうメリットがあると僕は思っているので、そのことも話した。そのひとつは、効率や収益を重視しなくていいこと。材料の流通の有無を考えなくていいので、自分たちで種子採取からやれば、地域性苗による緑化なんてのは、プロより実現しやすい。


生涯学習コースの授業は、専門課程の授業よりも講演に近いと考え、そのつもりで授業を組み立てた。以前、九州大のY先生のブログで、講演はクイズからはじめるっていうのを見たことがある。それ以来、ぼくはそのやり方をまねしているのだが、これはかなりよい。クイズ形式で、その講義のねらいや到達目標(何をわかるようになりたいか)を端的に示すことができる。講義のスタートダッシュがすごい。ロケットスタート


講義の開始から40分たった頃は、聞き手がだれてくるころあい。僕はその雰囲気にたえられないので、intermissionを置くことにしている。僕自身、集中力の欠落した人間なので、90分聞き続けるなんて、むり。授業を40分+10分+40分で組み立てる。intermissionは途中で寝てしまったりした人が講義の流れに乗りなおすきっかけにもなる。今日のintermissionは、種子散布のはなし。こちらから種子散布型をあげ、それに該当する植物の名前を受講生の方からあげてもらう、というゲーム?をした。このintermissionは、後半のお話のための下準備でもある。後半では、たとえば羽毛状果といった用語をいちいち説明せずに使えるようになる。