町内会の初講

 新年最初の町内会の集まりがあるので出席した。町内会は主に農業に関する地域内の調整や、補助金の申請などについて協議する場である。それとともに、農業に関する信仰の場となっているようだ。所属する町内会では2つの講があり、一つは伊勢講。もう一つはどこの神様だったか、教えていただいたのに失念。また教えてもらおう。集会所は20畳くらいの和室で、奥に床の間がある。床の間には初講のための掛け軸が3本と、お供え物がいくらか設えてある。お供え物はお酒やお米。お酒は日本酒の一升瓶が2本だか3本だか。いずれも開栓してあって、ネザサまたはサカキを花瓶に挿すような具合で一升瓶に挿してある。神事を担当する「こうやさん」(講家?)と呼ばれる人の音頭でみんなで床の間の方を向いて柏手を打ってお参りする。その後、担当の方2名がお供え物のお米(生米)を出席者の手のひらに小さじ約1杯分ずつ乗せていく。このとき、担当の方はサカキの葉をスプーンのように用いてお米を掬う。出席者は手のひらに乗せられた少量の生米を一礼してからひとくちで食べる。お米は乾いた生米と水に浸した生米があるようで、つまり生米が2回まわってくる。生米のつぎはお神酒。担当の方が、お供えのお酒をやかんに入れ、出席者の猪口に注いでまわる。このお酒も一礼していただく。一連の儀式がおわれば3本の掛け軸をはずして箱にしまい、あとはお弁当がでて会食となる。