ハーバリウムとRHSカラーチャート

 先週木曜の2限は,イギリスとアメリカでの計8か月間の庭園管理の研修からもどってきた研修生の報告会があった.その中で,アメリカのロングウッドガーデンハーバリウムでの写真があった.その写真は,さく葉標本を手にしたハーバリウムスタッフがカラーチャートを使っている写真だった(左記リンク先の標本で使われているものとは別).
 発表者に聞いてみたら,そのカラーチャートはRHS(英国王立園芸協会)が発行するカラーチャートだそうだ.ロングウッドガーデンでは新規に導入した品種の証拠標本を作成し,標本で残せない色情報をRHSカラーチャートの番号で記述するのだという.園芸植物を主体とする庭園にハーバリウムがあり,そこにバウチャー標本を置くということ自体,僕には初めて聞く話だったので面白いと思った.そういえば,僕の勤務校の園芸の先生(京都や滋賀の公立植物園の園長を務めていた方)は,庭園の園芸品種は導入時に台帳をちゃんとつくり,植えた場所にも名札をつけておかないと,そのうちにそれがなんなのか同定できなくなってしまう.台帳や名札はすごく大事,というような話をされていた.種の同定ではなく品種の同定はたしかに難易度が高そうだ.それに備えて,台帳だけでなく証拠標本を整備するのは役立つことだろう.
 RHSカラーチャートでググってみたら日本語の情報がいろいろでてきた.英国らしくカラーのつづりはcolorじゃなくてcolourだった.日本では,植物園や園芸品種の育種や登録など,やはり「園芸」分野で使われているようだ.