シワヨセが歩いてくるぞ

 教務委員会にて,学生1人あたりの修得単位数が減っているのではないかという議論.たしかに以前は修了要件とは関係なしに興味のある科目をどんどん履修する学生が多かったが,ここ1〜2年ほどは修了要件ぎりぎりに近い低空飛行を狙う学生が目立つ.後期の履修届けで低空飛行な学生がいて,理由を聞けば、前期に多く履修したら期末課題が重なって大変だったからといった回答が帰ってくる.
 会議ではさらに,以前の学生は倍以上の科目を履修していたが,課外活動や遊びにも積極的だったではないか,との指摘がつづく.過去が美しく脚色される効果があるにしても,たしかに一部の学生については課外活動のエネルギーも衰退しているようにみえる.
 では,いまの学生の負担はそれほどきついものなのか?以前よりきつくなっているのか?かんがえてみると1科目あたりの負荷は実際に増えているのかもしれない.以前は12回くらいで完結していた科目を15回ちゃんとやるようになったり,そこそこの予復習でよかったのにガッツリ予習復習課題が出てしかもそれをカタチとして残すようになってきたり,成績評価のための課題の数がちょっとずつ増えていたり.全般にそんな傾向があるかもしれない.
 なぜそうなるか.文科省・認証評価・授業評価アンケート,それらヨコシマなモロモロへのアリバイづくり(←言い方わるいな)が、無意識のうちに,あるいは請われておこなわれ,その結果,学生への負荷が必要以上に増大するんじゃないか.
 という印象.
 まあ印象論.おもいつき.たれながし.
 でも,ちょっと自分はそういう反省をして,課題の出し方を考えなおしてみようと思う.僕の座学の科目の場合,椅子にすわって授業を反芻する復習よりは,キャンパス周辺の農村をぶらぶら歩いてた方がよっぽど捗るはずだ.(今日,演習科目の課題を出したところだけど,それはまあ必要な課題だと思っている分で,アリバイづくりじゃないから,学生のみなさんは前向きにとりくんでね.)
 
 そんなこんなで,1科目の負荷を軽くして,より幅広い科目に触れたり,自分の興味の趣くままに課外の時間を活用したり,そういうことができる余裕をちょっとでもつくった方がいいんじゃないかと,あえていま,エライ人が国際学力調査の結果をみて脱ユトリばんざいといった言説をふりまいているいま,こっそりと「ゆとりさいこー」「休憩だいすき」とさけんで,わがふりをふりかえって反省もしてみたい.

 シワヨセが歩いてくるぞ みんな急いでかくれんぼ
 (忌野清志郎「来たれ21世紀」より)

 かくれんぼも大事です.