高齢化が進む地域の畦畔でおこる危機
先週の生涯学習課程の講義(テーマは半自然草原)のあとで,受講生の方(60代?女性)から聞いた話.
実家に田んぼがあるけれど,手入れがたいへんで,いままで草刈りを人にお願いしてやってもらっていたけれど,その人が除草剤を撒いてしまった.それまではチガヤを刈るのが大変だったけど,除草剤をまいたらチガヤにかわって,なんていうのかしらない青い小さい草がいーっぱい生えてきて,今日の話きいて,こんなんやったらチガヤのほうがよかったとおもったわ.なんの草かわからないけど,こんどもってきましょか.
いまはどこも手が足りなかったり,しんどかったりで,畦に除草剤まく人は増えてるわ.
種の豊かな畦畔草原は,圃場整備が進んでいない中山間に多い.しかし,そのようなところでは過疎化・高齢化が進みまくりで,管理放棄による草原の消失もすさまじいイキオイですすんでいる.同時に,今回聞いたような除草剤の利用が増えていくとしたら,これも大きな脅威だろう.実態を把握したいところではある.
数年前に80代くらいのおじいさんから聞いた話では,「高ゴセはくずれやすいから除草剤はまいたらいけない」(高ゴセとは,高低差の大きな畦畔を指す方言)というのがあったが,そうも言ってられないということもあるのだろう.
下の写真は昨年6月にスーパーの壁に貼ってあった「便利屋さん」のちらし.草刈りの代行の案内.下の方に太い字で「草刈り取り後に出てきた新芽に除草剤散布でWパンチ!」と書いてある.このほかには「10坪3000円………50坪10500円」などの価格一覧と「残草処分込み」「草丈90cm以上,蔓(つる)斜面,片付けが必用車が乗り入れできないは対象外と成ります」などが書かれている.