9月のセミナー下見
9月に市内の公園予定地でセミナーをおこなう.その下見で,教育委員会の方といっしょに現地を歩いた.観察対象とする草原生植物はそこそこ見られそう.
カワラナデシコは花期がおわり結実していた.全草がわら色になりつつある.
草刈りのあとでもアキノタムラソウは数多く開花していた.草刈り後に草丈10cmほどで開花しているものもあった.結実もみられた.草原づくりの演習科目では,11月の種子採集でアキノタムラソウを採集できたためしがない.早いのだ.アキノといいながら,夏の花だ.
コマツナギも草刈りをされた畦畔でたくさん咲いていた.
ツリガネニンジンは夏に草刈りをされたところではまだ開花していない.草刈りをまぬがれた林縁などで開花個体があった.
ツチグリはお盆の草刈りをうけてほどんどみつけられない.わずかに見つけた個体も地上部がほとんど枯れた状態となっていた.夏にこのようになるのが普通の生活史なのだろうか.
クズの花の匂いがあたりにただよっていた.またあちこちに花がおちていた.
ヘクソカズラも絶賛開花中.花期のヘクソカズラの花は甘くてよい香りがするが,開花後しばらくすると香りがとんでしまうようで,すべての花がいい香りがするわけではない.ヘクソカズラの甘い香りを楽しむならいまのうちかも.
サネカズラも花期で,ときどき地面に落ちている花をみかけた.椿のように花がまるごと落ちる.落ちているのは雄花.雌花は落ちてる場合ではない.花はモクレンの仲間に似ているが直径2cm少しと小さく,蝋細工のようでかわいらしい.
センニンソウの花がこの時期いちばん目立っている.
ゲンノショウコもちらほらと.このあたりのゲンノショウコは白花.地元のおじいさんとお話しをした.ゲンノショウコをイシャダオシと呼んでいた.梅雨のころか梅雨明けのころに採ってきて日陰で干しておいた.下痢をしたときにこれをお茶のようにお湯に入れて飲んだ.
この地域ではナルトサワギクが激増中である.今日聞いたところでは,圃場整備の際に農地を広くするために谷を埋めた.埋めるための土砂は南あわじから運び込まれた.南あわじはナルトサワギク高密度地帯だ.
教育委員会の方は考古学が専門.歩きながら,畑の土から弥生時代の土器片をつぎつぎに見つけていた.土器片って,そんなにふつうにころがってるものなのかとびっくりした.
落ちていたサネカズラの雄花