eratta

 5月9日の日記にまちがいがあるとU原さんから指摘をうけた.
 掲載した写真を「ボタンネコノメ」と紹介していたが,これが誤同定で,「ホクリクネコノメ」が正しい.ボタンネコノメソウの雄ずいは短く,萼片から長く突き出すことはない.ホクリクネコノメの雄ずいは萼片より長くて突き出すのだそうだ.
 U原さんはさらに「”分類・地理”のヒダボタン記載論文にそのへんの種が整理されてるから見てみ」とのアドバイスをくださった.さっそくその文献をダウンロードして確認した(うれしいOpen Access).これです↓↓
 Wakabayashi,M. and Ohba,H. (1995) A Taxonomic Study of Chrysosplenium fauriae Group (Saxifragaceae), with Description of a New Species. Acta Phytotax. Geobot. 46(1):1-27.
 お.おもしろい.誤同定の件はこの論文のFig.1の花の図ですっきり.分布図がおもしろい.ところどころで同所的な生育はあるけれど,かなりくっきりとわかれていて美しい.全般的にホクリクネコノメの南隣にボタンネコノメソウの分布があるが,養老や鈴鹿あたりは,ボタンネコノメソウの分布域外縁をつきやぶってホクリクネコノメが南下してる.ふしぎ(そのへんは何年か住んでた地域だから親近感もわきわき).ちなみに,5月9日の日記に掲載した写真は兵庫県香美町の兎和野で撮影したもの.分布図に照らしてふむふむ.
 図鑑も見直してみた.保育社の「原色日本植物図鑑草本編〔II 〕・離弁花類」(北村四郎・村田源 1961.僕の手元のは1992年の改訂58刷)の140ページ第68図にも美しくてわかりやすい図があった.不覚.
 U原さん,ありがとうございます.勉強になりました.
 なお,5月9日の日記に「ボタンネコノメ」って書いたけど,そんな標準和名はない.それもいうなら「ボタンネコノメソウ」だ.だから5月9日の日記は二重の間違いをおかしていた.てへぺろ