海岸で小学生に授業

 島内の2つの小学校からの依頼で,砂丘および潮間帯での環境教育.小学校5年生約50人.うちの学生7人+僕.9時30分〜12:00までの150分.前半を砂丘植物,後半を磯の潮間帯の生き物で.
 前半はいくつかのチェックポイントでミッションをこなしていくゲームラリー式の観察.2008年・2009年に明石市の小学校で実施した内容をベースに一部を改訂.以下「」内が内容,()内がそこから発展させて児童らが考察するトピックス.「コウボウムギの地下茎の観察と,コウボウムギの筆で書道」(砂丘の環境,堆砂による砂丘の成長,それに適応した植物),「ハマヒルガオのタネあつめ.海水水槽に投入してアサガオのタネと比較」(海流散布),「香りをたよりにハマゴウの葉をさがす」(植物と利用:むかしはハマゴウの実を枕にいれた),「ハマボウフウの葉っぱを味わう」(防御物質と昆虫),「ビロードテンツキの葉をさわって,実体顕微鏡でみる」(海浜植物の葉はクチクラや毛で覆われている,なんで),「アメリネナシカズラを観察し,あつめてきて一発芸」(寄生という戦略,外来種問題).前後の説明に10分くらい,ラリー実施時間は50分程度.児童は3個から5個のチェックポイントをまわった.全部まわるには90分は必要だった.
 後半は潮間帯の生き物の多様性と棲み分けを観察するプログラムとして「水族館づくり」.魚やカニ,ヤドカリ,フナムシなどの動き回る生き物は水槽に,固着性の生き物には展示のための枠をあてがいながら,磯全体を水族館とするもの.観察時間帯は干潮時を含む40分間.最初に今日の満潮の潮位を現地で示して,潮間帯がどういう環境なのかを実感させるところから導入した.水族館づくりはちょっと消化不良.これをやるには人数が多すぎた.磯の生き物をみたこともないという児童が多かったので(淡路島の海岸付近に住んでいる児童もいるのに),あれこれ作り込まずに,磯の生き物をまずはじっくりと見ていくだけでも十分だったと,事後に反省.あと,やはりこういうプログラムの時はこういう分野の専門家に来ていただきたいよね.