砂の中の銀河

 ある人から学校の近所の海岸でウミホタルが見られると教えていただいた.僕は夜光虫の発光はみたことがあったが,ウミホタルはみたことがない.早速いってみることにした.学生に声を掛けたら13人も来た.
 突堤をあるきながら海をのぞき込んでみた.ところどころで青い光がちらちらと明滅する.まるでブルーサファイアのよう.あるいは青色LED.点として発光するときと,周りの水ごとぼわっと光るときがある.しばらくそれをみてから,トラップをつくって捕まえてみることにした.トラップといっても簡単なもので,学生が持ってきたペットボトルに穴を開けて牛肉を入れて海に沈めただけ.トラップ組がそれをやっている間に,別の学生が波打ち際の砂の上にもウミホタルがいて手で砂ごとつかまえられることに気付いた.おもしろいとみんなでやっているうちに,波打ち際の砂を数センチほど掘れば,すごくたくさんのウミホタルがそこにいることがわかった.指先をまげて熊手の形にして,さっと砂を掻くと,その軌跡にそって,無数の青い点がかがやく.むちゃくちゃきれい.波打ち際の砂の中に天の川があるとは思いもしなかった.