道ばたにしゃがむ楽しさ

 午前中は部門ゼミ.
 午後,いくつかの雑用をこなしてから,日没直前の1時間半ばかり,例の受託研究(土木事務所からの依頼)のための調査.道路沿いの植栽や植生をしらべてまわる.公用車が出払っていたので,徒歩圏内で調査をおこなった.
 道路沿いの刈り取り帯で調査をしていると,そこが地味ながらもかわいらしい愛すべき草原であることを実感する.イヌタデ,アカネ,ヤマハッカ,ゲンノショウコ,イナカギク,ウドなど,どれもとりたてて珍しい植物ではないが,このような身近な“雑草”が1m×1mの枠内に20種以上生えており,しゃがんでじっくりと眺めると実に味わい深い.が,このような地味な場所はときとして造成されて花壇がつくられ,単一種の植栽となる.
 「道ばたにしゃがんで生きもの的自然を見つめたり,みつけたりする」のは実に楽しい.この行為に何かしらかっちょよさげな名前がついて市民権を得る日がやってくるかもしれない.昨今のビーチコーミングの隆盛をみるにつけ,そんな日がくるわけないなんて断言できないと,ほら,思うでしょう.