海浜植物をつかった環境学習

 6月16日に下見をして,今日が本番.昨年の6月27日と同じ場所,同じテーマ.対象児童は小学校3年生100人.5時間目から6時間目までの100分間.13:20に学校を出発して15:00ごろに終了.プログラムのねらいは,まずは,海浜の植物や昆虫をつかったあそびをたのしみ,それらのいきものに親しみをもつこと.ついでに,砂浜にはいろんな植物がいることや,その植物に依存した虫がいることを,ゲームラリーを通して知ること.はじめる前に児童に質問をしてみたら,しょっちゅう浜にあそびに来るけれど,植物をじっくりみたことはないとのこと.1名だけ,浜の植物をたべたりしたことがあるという子がいた.親がそういうのが好きなのかも.
 内容は,昨年とは少しだけ変えた.昨年,根っこのにおいや味をたのしんだハマダイコンは,今回は水槽の水に果実をうかべる実験にした.果実をみつけてきてもらって,まずはタネだけを水槽の海水にいれ,つぎに果実ごと水槽にいれたらどうなるかを確かめ,鞘がどういう役割をしているのかを推理する.「海の水に浮かぶことができるから,高波でながされた後で,このタネはぷかぷか浮かんで,淡路島とか小豆島までいけるかもしれないよ」といったら,子供がちょっとどよめいた.ハマボウフウの葉っぱを味わうところでは,比較のためのパセリも用意しておいた.去年は,ただたんに「まずい」とか「くさい」とか「おえー」という反応が多かったけど,八百屋で買ったパセリと食べ比べをしてみたら,「パセリそっくり」とか「パセリとにてるけど,もっとおいしい」とか,「あかんねん,ぼく,パセリきらいやねん」とかそういう反応になって,まずい,とかおえーと思うだけよりも,はっきりとした感想につなげられた.
 そのほかの観察テーマは昨年とおなじ.コウボウムギの筆で字や絵を描いたり,においをたよりにその正体(ハマゴウ)を探したり,アメリネナシカズラをあつめてきて一発芸をしたり,ハマボウフウの草の上でアカスジカメムシを探したり.
 それぞれの場で,コウボウムギの地下茎を観察して1年前の葉っぱの名残が筆になっていることをつたえたり,アメリネナシカズラが他の植物の葉っぱにくいこんでいるところを観察して寄生という生き方をつたえたり,アカスジカメムシがこの海浜ではハマボウフウの汁しかたべないことを伝えたりした.
 改善できそうな点がひとつ.課題を消化するたびに,“任務達成カード”を手渡すようにしておけば,もっと盛り上げられたかも.名刺印刷用紙をつかえば任務達成カードは簡単にできそう.また,カードの場合,そこに観察ポイントなどを書いておくことができるから,持って帰ったあとでの復習にもなる.通年でシリーズにしてどんどんカードをためていけば,いろんなテーマの環境学習をつなげていくことができるだろう.


ミッション5.おしゃれ虫をさがせ! 赤と黒のしましまの虫を探してハマボウフウをさぐっている.

おしゃれ虫,ことアカスジカメムシ.このあと,児童らに,この虫にぴったりの名前をかんがえてもらった.