糖度計

 上の文章を書いて,「ほのかに甘い」という表現はつまらんなあ,と我ながら思う.それでふと,うちの妹のことを思い出した.高校で家庭科の教師をやっている妹(元ヤン)は,甘い果物を買ったときなど「これめっちゃあまいねんで,みてみ」と言いつつ糖度計に果汁を垂らして数値を見せてくれる.吝嗇家の妹が私費で購入しているくらいだから糖度計というのは高いものではあるまい.ちょっとしらべてみたら,1万円台からあるみたいだ.それなら倹約家の僕にも私費で買えそうだ.
 秋の野山にて液果の糖度を片端から測定してみたら,けっこう楽しめそうじゃないですか.観察会のときにも,ちょっと違う視点を提供できて楽しそうな気がする.もちろん人間の舌で味をみるにしても,苦さや渋さや臭さにまぎれてわからない甘さとか,ほのかすぎてわからない甘さのものもある.そういうのものに糖分がどのくらい含まれているのかがわかれば,それはそれで面白いと思うのだ.
同じように,果実の脂肪分を瞬時に測定できるコンパクトで安価な装置があればさらに楽しめそうだけれど,何かいいものないだろか.