眠れん夜のハードな2本立て

 いろいろとヤラネバがたてこんで来ているので,昨夜はさっさと帰って寝よう!と思ってさっさと帰ったのだが,電気を消して横になってもぜんぜん眠気がやってこず,だったら起きて仕事をするべきかと思ったが,いやいや,そういう気分ではないぞと思い直し,そうだエーガでも見ようって気になって,HDDレコーダーに1年くらい前に取り込んだ「イノセンス」を見た.実は先週にもこういう眠れん夜があって「Ghost in the shell」を視聴したところであったが,この2本,どうやら1週間以内にまとめて見るのが正解である.3回繰り返されるオルゴール部屋のシーンで"2501"の合い言葉が出てきたときに素子キターーーーーーーって気分で大いに盛り上がった.前に見たときはそこ,スルーでした.見る前は「イノセンス」を見てたら途中で眠くなって寝てしまえるだろうというもくろみだったが叶わず,見終わったらすっかり目がさえてきた.ヒツジを一万匹まで数えた気分.なんてこった.カフェインもしこんでないのに.だらだらとモニターをつけっぱなしにしていたら是枝裕和「誰も知らない」が始まったので,ちら見してたら知らんまにぐいぐい引き込まれ,窓の外からは漁船のエンジン音が聞こえ始め,東の空は白み始め,でも僕はぜんぜん眠れなくて,「誰も知らない」をとうとう最後まで見た.この作品のやりきれない世界に点在していた小さな幸福感をもてあましつつ,ラストシーン後の描かれていない未来に救いを求めながら,扇風機の風に吹かれているうちにようやく眠りにおちた.「誰も知らない」で子供たちが暮らしたアパートのベランダには六角形の鉄格子がはまっていた.きっと「ミツバチのささやき」へのオマージュなんだろう.ヤラネバがたまってるのに何してるんだ僕は.