河辺いきものの森

 2年生の演習(僕の受け持ち科目ではない)の引率で,滋賀県東近江市のいきものの森へ行った.ここは,愛知川河畔にのこされていた(管理放棄されて荒れていた)平地林をベースとしたフィールドミュージアム的な施設.「大人たちがかつての生物多様性の豊かな自然をとりもどし,その森で,子供たちが様々な自然体験をすること」をコンセプトとした森である.今日の授業では,この森を実現させた方から,直接お話をうかがった.僕は昨年もこの授業の引率をしたので,この話を聞くのは2回目だったが,かわらず新鮮で面白かった.科学の裏付け,人を引き寄せるしくみ,実現までの,ちょっとふつうの公務員ではできないような仕事っぷり.学生たちにとっては,参考になることが山ほどつまっていたはずだ.消化不良をおこさず,きっちりものにしてもらいたい.
 講義の最後にこの科目の担当教員である梅原さんが「仕事というのは,会社が受け皿になっているが,個人が行うものだ」とまとめてくださったが,まさにそのとおり.だからどこにいても,自分は自分の仕事の質を高く保つ(ように努める)必要がある,と思う.
 森ではイチリンソウ,アオキ,セントウソウタチツボスミレ,ニオイタチツボスミレ,ニシノホンモンジスゲ,ヒメカンスゲなどが花盛り(花盛りという言葉がにつかわしくない地味なものがまじってるが).ニオイタチツボスミレの花茎の毛にちょっと萌えた.