カタクリ

 日曜日.課外授業で,丹波市氷上町カタクリを見に行った.1年生16名ほどが参加.コナラ林の下にあったカタクリを活かした町おこし.自生株をすこしずつ増やしていったそうで,いまではかなりの大群落となっている.のどかな田舎町にこのときばかりは大勢の人がやってくる.課外授業でここをみにくる目的はいくつかある.ひとつは,野生の植物を使って町おこしをしている事例をみるということ.あとは,カタクリをはじめとするスプリングエフェメラルの生きざまを知り,その生育環境をしらべるということ.カタクリが生えている場所(下草刈りをしているコナラ林)と隣接したヒノキの植林地.それぞれの温度をはかったり,樹冠を仰ぎ見たり.スプリングエフェメラルの戦略を分かってもらえただろうか.ここでは花木を残すためだろう,常緑樹でもヤブツバキは刈り残す管理をしている.おもしろいことに,ヤブツバキの直下だけは,カタクリの花着きがわるい.そこではかせぎがすくないのだろうと思う.
 写真は,カタクリをみたついでに,そのまわりの田んぼの畦で,小さな草花を観察している学生たち.さかりをやや過ぎたヤマザクラ,いまが盛りのサンシュユ,とおくの山にはタムシバが点々と(これは写真のフレームの外).なんとも穏やかな春の一日.