某大学にて敗北感と脱力感を味わう

 某大学にて,外来生物についての講義.今週と来週にわけておこなう.オムニバス講義なので,事前に他の人の内容をおおよそ聞いて,内容がかぶらないことを確認していたが,いざ来てみたら,けっこうもろかぶりな部分があることが判明してあせった.ともかく,講義開始までにはなんとかなった.約100人相手で講義をおこなった.
 敗北感.ここまで無反応な人たちははじめてだ.ノリが悪いというべきか.いや僕の講義のしかたがいかんかったのか.講義の最後に,質問・感想カード(僕は自分の講義ではなるべくこれを回収して,次回で質問に答えるようにしている)を集めてみて,敗北感がいっきに脱力感にかわりましたよ.orz
 多くの学生に「早い」という内容のコメントを書かれていたのであった.もちろん良い感想や,内容に関するナイスな質問もそれなりの割合であったけれども,目立つ意見は「早い」だった.さて,ぼくの脱力感はどこからきたか.
 実は授業の最初に,また途中で何回も「早いとか分かりにくいとことかあったら言ってよ」とこちらから言っていた.スライドを切りかえるときには,ときどきは「つぎいくよ?」と聞いていた.にもかかわらず,そのようなこっちからの問いかけには反応を示さずに(一人だけ,そこわかりにくいのでちょっとまって的なつっこみをした学生がいて,もちろんそれには対応した),最後の感想カードで書く.彼らは不満をかかえたまま,そのことを表明するチャンスがありながらもそれをせずに90分をこらえてすごしていたということか.ちゃんと言えよー.どんだけシャイやねん.というよりも,コミュニケーション能力に問題があるように思える.
 そんでまた脱力感を増すのが「早くてうつせません」スライド全部写す気だったのか.「どこを写したらいいのか教えてください」それは受け手によって違うのではないか?それに,ほんとに大事なところは,「ここは大事」くらい言ってたが,聞いていなかったのだろうか?
 面白いのは「板書の時間を十分とっていただけてありがたかった」という学生も何人かいたこと.ノートをとる技術力にかなりの個人差があるのだろう.まあ,その技術に差があるのは当然だろうけれど.
 で,この脱力感をここで吐き出しているだけでは,ぼくもコミュニケーション能力のない人間ということであろう.次回講義の冒頭は感想カード・質問カードへの回答をする予定だが,そのときに,きちんと伝えるべきことを伝えておこう.伝えるべきことを伝えないで損をするのはばかばかしいですよ,と.
 普段,こっちでやっている双方向コミュニケーションの講義はとても楽しいものだと日々思っているだけに.次回は楽しい講義にするぞ.このやろ.